ネットバブルの発生要因と崩壊後の動向

米国ネットバブルの発生要因は、次の3点に集約される。
(1) 1995年8月のネットスケープ・コミュニケーションズ公開以来、可能性が巨大でありさえすれば、利益が出なくても、ときには売り上げが上がっていなくても、株式を公開できるという楽観的ルールができ、それが肥大化していったこと。
(2)「誰よりも先にブランドを確立し、顧客を獲得し、ある分野のリーダーになることが勝利の道」との盲信から、異常なまでの早い者勝ち競争が起き、明確なビジネスモデルもないまま、従来型メディアへの広告宣伝費、Webサイト構築や技術開発に巨費を投ずる状況に、各社が駆り立てられていったこと。
(3) しかも、その競争の中で、何から何まで「無料化」するという刹那的な過当競争が起きて、「消費者以外はすべて疲弊する」という状況が起こってしまったこと。
・・・<中略>・・・。
米国ではもう既に、安易な株式公開はできなくなっているし(1)、未公開段階で「利益を生み出しそうもない」ビジネスモデルは徹底的に排除され、リスクはできるだけ未公開段階に封じ込むという基本がはっきりし(2)、無料化競争を主張する企業には誰も投資しなくなった(3)。
http://www.mochioumeda.com/archive/npc/010122.html