2011-01-01から1年間の記事一覧

経済成長の定義

下村によれば、経済成長は「実質的な生産能力の拡充が、それに対応した総需要の膨張によって、現実の国民総生産として実現される過程である」と定義される。 『危機の宰相』 〜第十章 邪教から国教へ P.224〜

将たる者は人に好かれるだけでなく、人を好きなる能力が必要

将たる者は人に好かれるだけでは足りない。人を好きなる能力が必要なのだ。 『危機の宰相』 〜第四章 敗者としての池田勇人 P.92〜

危機の宰相

攻略地点の決定、侵攻部隊の集結、競争における自社のポジショニング、販売チャネルの選定

基本戦略は、Dデー作戦に倣ってメインストリーム市場のなかのターゲット・セグメントをひとつ選定し、そこを攻略することである。そして、この攻略を成功させる為に四つの戦術を採用することにした。 最初の戦術は攻略地点の決定である。これは、ターゲット…

マーケットの大きさは、価値命題の大きさとホールプロダクトがそれにどこまで応えられるかで決まる

たとえば、「この市場の大きさは?」という質問だ。ふたたび、この質問に対する率直な答えはーマーケットの大きさは、価値命題(すなわち「購入の必然性」)の重要性と、ホールプロダクトがその価値命題にどこまで応えられるかによって決まるーということに…

OEMは協力な営業力を保有しているため非常に有効な販売チャネル

無名のベンダーが慎重な実利主義者に製品を売り込むときには、相手先のベンダーの営業力を利用できるという点で、OEMはきわめて有効な販売チャネルに見える。しかし、まだ世間でよく知られていない製品をOEMで組み込むような相手先を見つけられるかと言う問…

システムインテグレータは販売チャネルではなく、顧客の代理人とみるべき

システムインテグレータは本来的に販売チャネルではないし、彼らがまったく同じシステムを二度開発することはない。システムインテグレータは、販売チャネルというよりもむしろ顧客の代理人とみるべきであり、ベンダーの経営陣がトップ営業を推進すべき相手…

小売業者もっとも得意とするのは顧客の需要を満たすことであって、決して需要を創出することではない

小売業者もっとも得意とするのは顧客の需要を満たすことであって、決して需要を創出することではないという点を強調しておきたい。直販と違って、小売業者が商品を販売するとき、顧客にコンサルテーションを行うことはない。 『キャズム』 〜第7章 作戦の実行…

キャズムを越えるときは自らの運命を切り開くために直販が一番最適な販売チャネル

キャズムを越えるときの最適の販売チャネルは直販であることに変わりはない。そして何よりも、直販こそが、ベンダーの運命を自ら切り開いていける手段なのだ。 『キャズム』 〜第7章 作戦の実行 P.276〜

実利主義者はベンダーがマーケットリーダーであるかを見て、次にパートナー企業の数と質を見る

ひとことで言えば、ベンダーがマーケット・リーダーであるかどうかについて実利主義者がもっとも信頼する裏付けはマーケットシェアである。しかし、そのような客観的なデータが存在しない場合に実利主義者が次に見るのは、ベンダーのパートナーや提携企業の…

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ホールプロダクトとして何を顧客に提供するかをまず決定し、そのホールプロダクトを短期間で作り上げるために戦術的提携関係を構築するというのが、キャズムを越えるときの「部隊の集結」の本質である。そして、このホールプロダクトが顧客の「購入の必然性…

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ホールプロダクトの考え方は明快である。それはーベンダーが顧客に説明する製品の機能、つまり価値命題と、製品が実際に発揮する機能とのあいだには差があるーというものだ。その差を埋めるために、本来の製品に各種のサービスや補助的な製品を付け加えて、…

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目的に沿ったデータを自分で集めて判断の一助とすることはできるが、ローデータの状況を一夜にしてハイデータに変えることはできない。しかし、キャズムを越えるうえでもはや一刻の猶予もないため、予測値とはまったく別の観点で判断材料を探すことが必要と…

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実利主義者は、マーケット・リーダーから製品を買おうとする。理由は簡単で、ホールプロダクトというのは、マーケット・リーダーの製品を中心に形成され、それ以外はあり得ないからだ。 『キャズム』 〜第3章 Dデー 悟り P.108〜

ビジョナリーというのは、新たなテクノロジーの可能性を、同業他社のなかで真っ先に見出そうとする人たち

ビジョナリーは、類いまれな資質をもった顧客グループである。つまり、まったく新たなテクノロジーが自社の企業戦略に合うものかどうかを洞察する能力を有し、その洞察を自らリスクを背負って現実のプロジェクトへと移し、さらに、会社全体がそのプロジェク…

「先行事例と手厚いサポートを必要とする顧客を、有効な先行事例と協力なサポートなしで攻略しようとしている」からキャズムを越えることができない

要するに、ハイテク製品がアーリー・アダプターからアーリー・マジョリティーへ市場を拡大しようとするときには、「先行事例と手厚いサポートを必要とする顧客を、有効な先行事例と協力なサポートなしで攻略しようとしている」という事実を肝に銘じなければ…

古いやり方と新しいやり方の間の不連続を受け入れるか、受け入れないか

アーリー・アダプターが購入しようとするのは、変革のための手段である。アーリー・アダプターは、同業他社に先んじて自社に変革をもたらし、ライバルに大きく水をあけることを狙っている。変革の対象は、製造コスト、市場に製品を出すまでの期間、カスタマ…

キャズム

結婚前は両目を大きく開いて相手をよく見よ。結婚してからは片目を閉じよ

「結婚前は両目を大きく開いて相手をよく見よ。結婚してからは片目を閉じよ」という名言があるが、これは夫婦がうまくやっていく秘訣であると思う。 『40歳から伸びる人、40歳で止まる人』 〜第4章 「家庭」での男の責任とは P.205〜

嫌いなことをせず、好きなことをしている人は四十歳を過ぎても伸びる

四十歳を過ぎる頃になると、急速に成長が止まる人と、まだ伸びる人に分かれる。その差は何かというと、伸びる人は嫌いなことをやっていない。好きなことをしているからまだまだ伸びられるということがわかる。 『40歳から伸びる人、40歳で止まる人』 〜第2章…

40歳から伸びる人、40歳で止まる人

アメリカにおける政教分離は、政府・国家と特定の宗教組織の分離(separation of church and state)である

注意すべきは、政教分離について、日米両国の理解に違いがある点である。日本における政教分離についての一般的な理解は、宗教と政治の分離(separation of religion and politics)である。しかし、アメリカにおける政教分離は、宗教と政治の分離ではなく、政…

土地の所有はヨーロッパでは階級社会の根拠になったが、アメリカでは民主制の根拠となった

ヨーロッパにおいては、土地は希少な価値として身分制の根拠になったのに対し、アメリカ、とくにその西部農民社会においては、当初より土地所有は広範な社会層に行き渡り、逆に民主制の根拠になった。 『アメリカの歴史―テーマで読む多文化社会の夢と現実』 …

書斎における哲学的思索ではなく、現実的な政治的実践の中からアメリカの政治思想は生まれた

今日のアメリカ政治思想の萌芽は、ヨーロッパ起源の政治思想をいかに新大陸の環境に適用し、新しい政治秩序を構築するかという現実の模索の中から生まれたといってよい。アメリカの政治思想は当初から、書斎における哲学的思索からというより、現実的な政治…

アジア系アメリカ人は人数は少ないものの、高所得・高学歴のモデル・マイノリティとなっている

今日、アジア系は、アメリカの総人口にしめる割合がわずか3.6%であるものの、高所得・高学歴の「モデル・マイノリティ」として、多民族国家アメリカで確固たる地歩を占めている。 『アメリカの歴史―テーマで読む多文化社会の夢と現実』 〜第8章 太平洋を越え…

ヨーロッパの階級社会への問題意識がアメリカの出発点

新共和国アメリカの人々は、共和国は自立した対等な市民で構成されるべきだと考え、ヨーロッパの階級社会の実害を避けようとした。しかしながら、19世紀の資本主義発展は、「階級のない社会」という理念を切り崩し、他人に雇われて働かなければ飢えてしまう…

アメリカの歴史―テーマで読む多文化社会の夢と現実

後藤以上の理想家、兼実行家はいない

後藤以上の理想家はいるかもしれない。後藤以上の実行かもいるかもしれない。しかし、その双方をかねているのは、ほかにいない。 『後藤新平の「仕事」』 〜後藤新平の「仕事」 P.167〜

後藤新平の発想は自分が死んで何世代かした後に実ればよいという射程距離の長さがあるが、政党政治の政治家は票集めのための現世利益しかみない

政治家がふつう考えているのは、自分のときにどう実現するかということですけれども、多分後藤の発想には、自分が死んで何世代かしたときに実ればいいというぐらいの射程距離の長さがあると思うんですね。悲しいことに、日本の近代を指導した薩長にも、それ…

従来からの因習にとらわれず、考えの土台となる調査をし、現実からあるべきものを作り出す

彼は従来からの因習にとらわれない。従来からの因習にとらわれないということは、何か事を始めるに当たって、既にある考え方とか方向性に従うのではなくて、考え方や方向性をだすために、きちんと土台になるものを「調査」して、現実からあるべきものを作り…