2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧
和というのは、ケンカをしないということではありません。お互いがそれぞれの務めを果たすこと。そのことを通じて「心のつながり」を保つ、ということです。
もし心が正直で正しくあれば、たとえ神を崇拝しなくても神はわれわれを守るであろう。ことわざにもあるとおり、神は正直な人間の頭に宿る。正直でさえあればいますぐにでも神は宿るのだ、と。道真の歌と同じことを言っていたのです。すなわち、自分自身の内…
宗教と近代科学は衝突します。それが、彼らの大きな悩みであり、ときには自然法則の中には必ず神の意思が宿っているはず、と考え熱心に科学研究にも取り組んできました。それが西欧近代の発展の原動力となったのです。また、その信仰心が「神との契約を守ら…
その『日本文化史』の中でサンソムがくり返して書いているのは、日本人は、倫理やモラル、あるいは心のありさまを表現するときにさえ、「きれい」とか「汚い」といった美学的な言葉遣いでもってそれを表現する、ということです。 『日本人としてこれだけは知…
日本の国民性のうちに、利己的な個人主義が比較的少ないことは、この国の救いであり、それがまた、国民をして優勢国に対しての自国の独立をよく保つことを得せしめたのである。このことに対して、日本は、自国の道徳力を創造し保存した、二つの大きな宗教に…
日本人であれば、契約は守らなければならない、条約は守らなければならない、時間に正確でなければならない、仕事は誠実に行わなければならない、さらには、苦しいことがあっても法律やルールはなるべく守って耐え抜かなければならない、嘘をついて「心の潔…
本当の歴史が見えてくるためには、およそ六〇年を要するという理由の第二は、最低六〇年ぐらい経たないと事実を確定する上で不可欠な重要史料が公開されないからです。 『日本人としてこれだけは知っておきたいこと』 〜第一章 歪められた自画像 P.79〜
予想を超えた惨めな敗戦と外国軍隊による占領支配という未曾有の経験が、日本人の心を根底から崩してしまったことが挙げられるでしょう。これは、考えてみれば、やむをえない側面もあるのです。何しろ、それまで日本という国は、有史以来一度も外国の支配を…
一方的に戦前の日本を全否定するような「歴史観」や、その反動として、手前味噌的に記憶を忘却し戦後の日本だけを全肯定するような「戦後神話」が生まれてしまいました。このことが、日本人から歴史認識そのものを奪い取り、知性はおろか日本人の精神性にま…
西欧人は、国力の根源には必ず宗教が関わっている、という見方をします。 『日本人としてこれだけは知っておきたいこと』 〜第一章 歪められた自画像 P.25〜
とくに、末期の神風特攻隊と沖縄決戦、硫黄島決戦は、アメリカ人に甚大なショックを与えました。それらの戦場で日本兵や日本人が示した脅威の自己犠牲精神、アメリカはこれを一番恐れたわけです。それまで二〇世紀の初頭から数十年にわたって日本を敵視しつ…
モノを書く意義は、それを読んだ人の心に何が生じたかに尽きる、と私は思う。 『ウェブ時代をゆく』 〜あとがき P.242〜
私は「社会変化とは否応もなく巨大であるゆえ、変化は不可避との前提で、個はいかにサバイバルすべきか」を最優先に考えて生きてきた。そのことに後悔はない。社会をどうこうとか考える前に、現実問題として個がしたたかに生きのびなければ何も始まらないで…
「もうひとつの地球」は、基礎的な力を「吸い取り紙」になって吸収した先に大きく広がる自由な世界である。そのあとは、没頭する対象を自ら選択し、人々に平等に与えられる唯一の資源たる時間の一瞬一瞬を、自分の責任でそこに注ぎ込んでいく。それが「もう…
昔から存在する「古い職業」と、時代の変化とともに生まれる「新しい職業」のあいだに優劣はまったくない。「古い職業」は歴史が長い分、その世界で生きていくためのルールががっちり決まっており安定していて、将来も予測しやすい。一方「新しい職業」は、…
「時代の変わり目」を生きるために一番重要なのは、「古い価値観」に過剰適応しないことである。そのことに自覚的かつ意識的であってほしい。どんな変化であれ、それが天災や事故のような突然の打撃ではなく、ゆっくりと皆に訪れるものなら、それは「荒海に…
人間の側から見たらほぼ無限とも言うべき情報が共有されると、「出題範囲のある試験の競争」や「役割を与えられた範囲での競争」とは全く違った、やってもやってもさらにその先がある「対象への没頭の競争」になる。そしてオープンソース・プロジェクトでは…
ロールモデル思考法とは、ただ「誰かみたいになりたい」「こんな職業につきたい」という単純な願望から一歩進み、自分の志向性をより細かく定義していくプロセスである。 世に溢れる「人の生き方」や「時間の流れ方」に興味を持ち、それを自分の問題として考…
荒唐無稽ながら私はホームズにおける何がいったい自分へ強い信号を発しているのかを徹底的に自問してみることにした。作品を繰り返し再読し、どの部分が強い信号を発しているのかを吟味した。 その結果見えてきた自分の志向性とは、「ある専門性が人から頼り…
自分の価値を理解して対価を支払ってくれる人が存在する状態を維持しようと心掛けること。コモディティ化だけは絶対にしないと決心すること。自らのコモディティ化に対してだけは「Paranoid」(病的なまでの心配性)であるべきで、その予感があったら必ず新し…
一言で言えば「けものみち」とは、高速道路を失踪するのに比べると、まあ何でもありの世界である。好きなこと、やりたいこと、やりたくなくてもなんでもできることを組み合わせ、時に組織に属するもよし、属さぬもよし、人とのさまざまな出会いを大切にしな…
一言で言えば「けものみち」とは、高速道路を失踪するのに比べると、まあ何でもありの世界である。好きなこと、やりたいこと、やりたくなくてもなんでもできることを組み合わせ、時に組織に属するもよし、属さぬもよし、人とのさまざまな出会いを大切にしな…
ウェブ2.0を「知と情報のゲーム」ではなく「経済のゲーム」として眺めるときの本質は、金儲けを優先する営利企業が中核となって、果たして「不特定多数との信頼関係」を長期に永続的に結ぶことができるのか、というところに行き着く。ここもウェブ進化のフロ…
「オープンソース・プロジェクトも、成功するものと失敗するものがあるよね。もちろんほとんどは失敗するよね。その差は何だと思う」と尋ねた。 「成功するかどうかは、人生をうずめている奴が一人いるかどうかですね」と彼は端的に答えた。たしかに、まつも…
一〇〇年前、「野球で飯を食う」と公言するとかなり笑われたと思う。しかし、多くの人がシステムを構築してきたので、年収数億円のプレイヤーが登場するようになった。今、「オープンソースで飯を食う」といっても「ありえない夢」と思われるかもしれない。…
一〇〇年前、「野球で飯を食う」と公言するとかなり笑われたと思う。しかし、多くの人がシステムを構築してきたので、年収数億円のプレイヤーが登場するようになった。今、「オープンソースで飯を食う」といっても「ありえない夢」と思われるかもしれない。…
グーグルは「営利企業として、しかも大きく儲かる事業を創造した超優良企業として、企業でなければ絶対にできないスケールでインターネットの意思の実現を追及する存在」と」自ら位置づけたかのように見える。大仰にも「邪悪(evil)なことはせず、世界をより良…
同時代の最先端を走り、歴史の変わり目の時期に、その歴史を書き換える可能性のある現場に主役として参加できるチャンスは滅多にない。生まれる時代がずれれば、そもそもそういう人生にはめぐり合わない。生まれる時代が正しくても、違う場所にいれば、革命…