Next Decade

フィルタリングや個人化は長期的には見つかる情報を制限する

分裂化の影響を大いに増幅しているのが、個人化アルゴリズムとフィルターという、インターネット上では一般的な機能であり、これらの機能は我々の許可なく、ときとして我々がしらないうちに動作することも少なくない。我々がアマゾンで本を買い、ネットフリ…

人間はオンライン上では、分化したコミュニティを形成する

ブルニョウルフソンらは、このような「小さなコミュニティが乱立するバルカン化」は、フィルタリングがもたらす唯一可能な結果ではないと強調する。理論的には、「より幅広い知識や、さらには無作為の情報を欲しいままに求めることができるかもしれない」。…

コミュニティの所属を変えることはクリックと同様に簡単

分裂化のプロセスは、現実の近隣社会と同様、仮想コミュニティでも生じるばかりでなく、オンライン上のほうがより急速に進行するだろう。現実世界は、住宅ローンや学校や仕事を抱えているから、分裂かを進める機械的力もゆっくりと作用する。他所に引っ越す…

ユーチューブ経済では、誰もがタダで遊べるが、利益を得るのはごく少数だけ

無報酬の労働を戦力化し、それを価値あワールドワイドコンピュータが生みだす経済力が要因となって、ますます多くの経済分野で利益が劇的に増加し、技能のあるなしにかかわらず、労働者はソフトウェアに取って代わられ、知的労働が世界規模で取引され、企業…

無報酬の労働を戦力化し、それを価値ある商品やサービスに変えてしまう企業の能力

これまでと違うのは、貢献の範囲、規模および洗練度合いであり、等しく重大なのは、無報酬の労働を戦力化し、それを価値ある商品やサービスに変えてしまう企業の能力なのである。 『クラウド化する世界』 〜第7章 多数から少数へ P.167〜

コンピュータの場合は利用方法そのものもユーティリティより供給可能

その電力をどう利用するかは、ユーティリティの責任ではなく、ユーティリティの顧客の責任である。電気は物理的な電気機器によって利用されるので、利用の仕方そのものを遠隔地からネットワークを通じて送り続けることは不可能である。・・・ しかし、コンピ…

新しい技術からいかなる産業が生まれるかは、誰も予測できない

IT革命から、いかなる新産業が生まれ、いかなる社会制度、社会機関が生まれるかはまだわからない。一五二〇年当時、やがて世俗的な本が出現することなど予測できなかった。世俗的な演劇の出現も予測できなかった。一八二〇年代当時では、電報や写真や公衆衛…

営利企業が不特定多数と信頼関係を築くことができるのか

ウェブ2.0を「知と情報のゲーム」ではなく「経済のゲーム」として眺めるときの本質は、金儲けを優先する営利企業が中核となって、果たして「不特定多数との信頼関係」を長期に永続的に結ぶことができるのか、というところに行き着く。ここもウェブ進化のフロ…

コンテンツの権利処理という課題

情報処理がウェブ上で自動化され、効率が高まる一方で、権利処理はきわめて非効率的で、コンテンツ流通の最大のボトルネックになっている。この問題を解決した者が、次のマイクロソフトになるだろう。これは技術的にもビジネス的にもきわめて困難で、しかも…

ネット時代の物書きの在り様

いま私たちは、ネットの進化のおかげで、誰もがカジュアルに情報を発信できる「総表現社会」とでも言うべき時代を生きている。いったん発表した「判断や断定」でも、あとになって、その判断に誤りがあったことに気付いたり、状況が大きく変化したことを認識…