ネット時代の物書きの在り様
いま私たちは、ネットの進化のおかげで、誰もがカジュアルに情報を発信できる「総表現社会」とでも言うべき時代を生きている。いったん発表した「判断や断定」でも、あとになって、その判断に誤りがあったことに気付いたり、状況が大きく変化したことを認識すれば、考えが変わったことをリアルタイムで発信していくことができる。過去に書いたことを隠蔽するのではなくアーカイブの形でできるだけオープンにしておき、それと同時に自らブログを持てば、道具立ては全て揃う。
・・・<中略>ネット時代を生きるこれからの筆者とは、一冊の本に静的にまとめられたコンテンツだけで評価されるのではなく、そういう長期的な営みに対して評価されるべきものなのである。
『シリコンバレー精神』 〜文庫のための長いあとがき P.301〜