2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧

百年先までを変える思想の出現

お金よりも賞賛であるとか、情報の占有より共有とか、そういう物の考え方の組み合わせは、やっぱりものすごく新しいことだと思います。ITの歴史はわずか五十年ですが、この五十年の中でその組み合わせからあるパワーが生まれつつあるということは、ITの進化…

忙しすぎると知的好奇心が磨耗する

僕にはこうした現象も含めて、ネット世界のことが面白くてしょうがないんだけれども、この感覚をシェアできる同世代の知人が本当に少ない。リアル世界の第一線で活躍している人ほど生活が忙しすぎて、知的好奇心の磨耗が起きている、という感じがするんです…

インプットの質が良くなれば頭は良くなる

実はこの間、将棋の羽生義治さんと話してて、「僕はもう四十五歳で、既にピークを越しているかもしれないって思ってたけれど、最近はこれからもっと頭が良くなっていくかもしれないなって思う時があるんですよ」って話したんです。そしたら彼は「だってイン…

Googleの株主構造のわけ

グーグルはマイクロソフトに買収される可能性だってあったわけですが、創業者が議決権十倍の特殊株を持つという異例の株主構造にして、上場しても絶対に買収されないように工夫したんですからね。この自分たちが作った化け物みたいになっちゃった構築物は、…

既存の産業の在り様を技術で変えるには狂気が必要

僕はあまりにもテクノロジー・コマーシャリゼーション(技術の商用化)というか、技術の方から世の中を変えることの難しさを知りすぎてしまっているのかもしれませんね。やろうとして出来なかった死屍累々を見てきているから。だからこそ、グーグルとアマゾ…

あるべき未来に対して情熱を持つものがいるかどうか

本の未来は最終的に平野さんのおっしゃるとおりになるのかもしれないけど、そういう未来を作ることに誰がどこまで情熱を持つかという問題が、現実的にはものすごく大きいのです。まず、出版社の人たちが本当にそっちにいきたいのかどうかは疑問ですね。 ・・…

ネットの負の部分をやりすごすリテラシー

一つの悪意が無数の善意を吹き飛ばしてしまう。僕もそういう気分になることがあります。でも、それでネットを否定してしまったら、もったいない。個として、そういう負の部分をやり過ごす強さとか、見ないようにするリテラシーを、これからのネット社会では…

行為の結果が社会的な自己に跳ね返ってこない

行為の結果が社会的な自己に跳ね返ってこないというのは、決定的に新しいんじゃないですかね。・・・ネットで行われることは、匿名である限り、身体を備えた主体に返ってこないから、行為には一種の無責任性がある。 『ウェブ人間論』〜第二章 P.90、93〜

ネット上のリアルに対するシニカルな笑いは、ネットをサブシステムとして安定させる

ネットには、リアル社会やいわゆる「エスタブリッシュメント」を、シニカルに笑いあっているような雰囲気が、まあ、一部にある。僕はそれが、悪いとは思わないんですよ。今の世の中で、くだらないと思うことは僕だってたくさんありますから。だけど、その笑…

社会全体の効率的な経済活動からの個人の思い、思想の排除

私的なことを公の場所に持ち込まないという日本人の古い美徳は、今や単に社会全体の効率的な経済活動から、個人の思いだとか、思想だとかを排除するための、都合の良い理由付けになってしまっている。 『ウェブ人間論』〜第二章 P.78〜

オープンソースの原動力は個々の承認感動にある

ところがオープンソースの世界では、ソフトウェアのコードをネット上に無償で公開すると、いきなりロシアとか中国とかシリコンバレーからでも「おまえのここのコードはすごい」とか、「俺も同じこと考えてた」とか、世界中の不特定多数の開発者からリアクシ…

他人にとって「有益」でない部分も認めて欲しいという願望

だけど、これは人間観の問題になりますが、僕にはどうしても、一個の人間の全体がそんなに社会的に「有益」であり得るとは思えない。僕だってその内実は、他人にとって何の役にも立たない部分が大半ではないかと思う。だけど、その役に立たない部分も含めて…

些末な知識は網羅的な知識の象徴ではなく、たまたま知ることとなった一知識でしかない

九十年代後半以降のネット検索時代を経ると、情報なんてものは、そういう一部の「専門家」だけじゃなくて、誰でもがアクセスできるし、そもそもがとても一人の手には負えないほど膨大で、結局は選択的に自分の関心のある世界のものだけに手を伸ばすか、大雑…

気になっている人の日常やいま考えていることをシャワーのように浴びる

少しまとまった時間があれば、いつもチェックしているブログを見に行きますが、それだけでも、英語のもの、日本語のものあわせて三百から四百くらいあります。気になっている人三、四百人の日常や、いま考えていることを、シャワーのように浴びるっていう感…