2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧
経営とは、汲んでも尽きない目標と課題の井戸のようなものである。矛盾だらけの経営課題を手探りで、ほうぼうにぶつかりながら解決していき目標に近づく。目標をクリアーしかけると、また次の目標が見えてくる。 『一勝九敗』 〜文庫版あとがき P.274〜
成功する会社に共通しているのは「正しいこと、小さいこと、基本」を徹底的にやり切るということだ。一見するとできているように見えるのだが、ほとんどの会社はできていない。やる以上は徹底して、百%正しいこと、小さいこと、基本をやり続ける。そういう一…
討論や論争をしてお互いに競い合い、高めあうといことは非常に大事だが、根底にお互いに対する信頼感や一致協力してやっていこうという気持ちがない限り、仕事はうまくいかない。基本的に一致協力してやっていこうという気持ちがない人はやはりダメだと思う…
本当に至上に根づくためにどれくらいのプライスが妥当なのか、いまも模索は続いている。価格の問題は、現実にそこに行って商売してみないとわからないことだ。 『一勝九敗』 〜失敗から育てる次の芽 P.209〜
一番いい会社というのは、「社長の言っていることがそのとおりに行われない会社」ではないかとぼくは思う。社長の言っていることを「すべて」真に受けて実行していたら、会社は間違いなくつぶれる。 表面的には社長の言うことをきくのではなく、まずは社長が…
一般的に、成長している企業には、ある時期、ある時期で必要な人が、必然的に集まってくる。自分の会社には人材がいないとぼやく経営者が結構多いようだが、それはおかしい。本気で集める努力を怠っていると思うし、人材以前の問題がその会社にはあるはずだ…
事業を始めるときには、ぼくはいつも最終形を考えるようにしている。こうあるべきという目標を定め、それに向かって行動することが大事。誤解を恐れずに言えば、到達できるかどうかはあまり問題ではないのだ。 『一勝九敗』 〜挑戦と試行錯誤 P.87〜
このように、九八年の原宿店オープンに漕ぎつける前は失敗の連続だった。いずれにせよ、新しい事業は、そもそも失敗することが多いのである。やってみないと分からないことが多いからだ。事業計画をきちっと作っても、ほとんどそのとおりに進まないことのほ…
九五年十月には全国紙や週刊誌に「ユニクロの悪口言って一〇〇万円」という広告を出した。へたにコンサルタントなどに聞くより、直接お客様に不満を聞いたほうが早いと考え、やってみた。集まった「悪口」は一万通弱。ほとんどが品質へのクレームだった。・…
その頃、三五〜三六のとき、昔のバンドの先輩、日本航空の後輩など、同世代の友人が何人か続けて亡くなったんです。事故だったり、病気だったり。明日、人生が終わる、というのがありえるんだな、ということがこの頃にだんだんわかってきて。自分が何かやら…
社長になっても、やっていることは変わりないです。仕事は連続しているんです。そもそも仕事って常識ですから。常識で考えてみたとき、こうやるべきだと思ったことを、勇気を持ってやり抜けるかどうかの話なんです。奇抜なことが必要であったりしない。すご…
何をしたのかというと、原点に戻ったんです。会社が何をできるか、ではなくて、自分が何をできるか、ということに立ち返った。仕事は会社から与えられるんじゃなくて、自分が作るんだ、ということですね。それを相手に伝えていく。一方で、できることとでき…
戦略とか、アクションプラントか、難しい言葉がよく使われますが、こちらは目標を達成するための手段を高級化した言葉に過ぎません。たいてい大きな目標はシンプルなんです。売り上げを上げる、利益を上げる。でも、目標を達成するための戦略は、いくつかの…
特に外資の場合は、ついつい「本社はどうなんですか」と社員が聞いてきたりするわけです。僕は冗談で、「本社ってオレのことか?」と聞き返すんですけどね(笑)。実は「本社」なんて言っているうちは、ベクトルは最大の力になっていないんですよ。「我々は…
セオリーなんて、実は誰でも知っているんです。経営戦略だって、頑張れば作れる。みんなプレゼンテーションにふれる機会がありますよね。でも、どの言葉も陳腐化された言葉でしょう。初めて聞く言葉なんて、ほとんどないでしょう。問題はどの軸で、どのくら…
転職を決断できたのは結局、勢いだったんじゃないかと思う。人生って、ほんの何回かですが、偶然も重なって流れがどんどんやってきて、その流れが抗せないような圧倒的な力になってくることがあるんです。どっちがいいかって頭で考えても、誰にもわからない…
コピーは文明間の橋渡しをする。ギリシア・ローマの文明が西洋近代文明につながったのも、中国文明が日本に伝わったのも、コピーのおかげである。旧来の文明どうしをつなぐ働きをしてきたものが、人類の情報文明ではないだろうか。そして、その情報文明の基…
わたしたちが自問自答しなければならないことは、日本人は連歌を文化の遺伝子として持ちながら、その方法を先端的な技術分野に引用する点で、先駆的な役割を果たせなかったことである。その最大の理由は、再創主義という古くからある創作の手法を忘れて、明…
「付け」はおそらく世界に類をみないような豊かな発想技術である。思えば日本が外国のものを取り入れて日本化する方法も、「付け」の発想である。外国の事物の付心、付所を見極めて、それを和風に「転じ」てきたのである。俳諧で熟成された「付け」という修…
諭吉のいう「コピライト」は、「著者のロマンチックな個性の表れ」としての作品を保護せよといっているのではい。作品の出版権を著者に与えて、類版を防ぎ、専売の利益を著者に与えるべきだと唱えているのだ。そして、諭吉は、これを「経済の定則」だという…
GPLの特徴は、コピー・改変・頒布の自由に加えて、ライセンス自体が伝播性をもっていることである。GPLのもとに公開されたソフトウェアを利用して作られたものもまた、GPLでライセンスすることが義務付けられている。これを、ライセンスの伝播性といい、これ…
デジタル技術によって、人類は有史以来、もっとも強力なコピー力を手に入れた。デジタルのコピー力は、情報の独占による近代的な布告の方法をなし崩し的にする。 デジタルコピーの力によって、情報の排他的な所有という近代のパラダイムは終焉を迎えるだろう…
著作権史の本では、独占的な書籍業者による裁判や天才作家による闘争が、著作権を発生させ変容させてきた原動力であるという説明がされている。しかし、視点を変えるならば、著作権を動かしてきたものは、メディアテクノロジーの進歩とそれにまつわるお金で…
このように、著者の産みの親は、印刷出版システムである。著者を「主体を持った個」という近代文学的な視点にとらわれすぎると、多くのことを見失うであろう。著者は、出版社や印刷業者、流通業者、書籍販売業、読者、メディアテクノロジー、流通システムと…
コピー防止技術は、法で認められた以上の規制を利用者に対してかけてしまうという面もある。サイバー法の第一人者のローレンス・レッシグが指摘しているように、プログラムのコードが社会のコード(規定)になってしまうのである。たとえば、DVDのコピー防止…
「著作人格権」とは、著作者の人格的な利益を守るもので、「公表権」「氏名表示権」「同一性保持権」からなる。「公表権」とは、著作物を公表するか否か、その時期などを決定する権利であり、「氏名表示権」とは、著作物の公表をするさいに使命を表示するか…