2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧
たとえば中国系は濃厚な文化を共有している。だけでなく家族主義で寄り添っている。ゲイの場合、家族主義はどうでもよいが、文化という"他に通用しがたいもの"を仲間だけで共有することによって暮らしの中での安らぎをえたい。広大な文明空間に疲れてきた、…
くりかえしのべてきたように、多くの国々にあっては古代以来の文化が累積し、近代になってやっとその上に法が載るようになった。法によって日本やフランスや韓国やデンマークなどをできたのではなく、もともとそこに人間の組織があって、近代に入ったがため…
大きな立場から日本という国の文化の特異さを見ようとしなかった。「彼らのすべての虚飾は、自分の共和主義の嗜好と相容れないものだ」と、みずからの文明意識をのみ基準とした。 こういうハリスのやり方は、二十世紀後半に入ってアメリカの時代がきてもつづ…
こうして世界の人々が集まってくれば、そのことがまた、日常生活、社会道徳、さらには映画演芸などの大衆芸術を含めたアメリカ文明の、普遍性をたかめることになる。著者はその点も見逃さず、「多民族国家であることのつよみは、諸民族の多様な感覚群がアメ…
文明は大陸の多民族国家でおこるものだから、孤島に住む日本人は、それをみずから興すことを半ば諦めている。むしろ、受益者になろうとしてきた。ただし、みずからを失うまでに受容したことは一度もなかった。たとえば日本はかつて中国文明から受益した。唐…
それにしても、アメリカにおける多民族性がなお新鮮で、建国二百年以上をへた国とはとても思えないのである。この社会の若々しさは、この多様さと、さまざまな要因による移り変わりのはげしさにあるのではあるまいか。 この国の人々の行進好きは世界に知られ…
品質管理に関するかぎり、アメリカが、いかにも"文明"主義的性格(普遍性を偏好する性格)の国らしく開発したこのことが、戦争がおわると、法や監督による規制をすてた。つまり、企業ごとの"自由"にまかされた。日本は在来の文化にそれに適応する遺伝体質があ…
品質の管理については、むろん高度の技術と熟練職人の伝統をもつ国においてごく"文化的"なレベルでおこなわれてきた。ドイツにおけるレンズ、カメラ、スイスにおける時計がそうであろう。 さらには、近代工業以前ながら、日本は江戸期、大工や指物師の世界で…
どの文化でも文化への参加には、名人芸を要する。しかし文明というレベルでいえば、グズであれ利口であれ、万人に参加できるものでなければ文明にはならない。 『アメリカ素描』 〜第一部 P.177〜
正しく評価するとは、その在るがままの性質を、積極的に肯定する事であり、そのためには、対象の他のものとは違ふ特質を明瞭かしなければならず、また、そのためには、分析あるひは限定といふ手段は必至のものだ 『文章のみがき方』 〜IV-8 自分と向き合う P…
文章の中の、ここの箇所は切り捨てたらよいものか、それとも、このままのはうがよいものか、途方にくれた場合には、必ずその箇所を切り捨てなければいけない。いはんや、その箇所に何か書き加へるなど、もつてのほかといふべきであらう。 『文章のみがき方』…
一読して、主題(あなたがこのことを伝えたいと思っていること)がはっきりと浮かび上がっているかどうか 文章がちゃんと、ここころよく流れているかどうか。ゆっくりと何回も読みかえしてみる。 ひきこまれて読む、というおもしろさがあるかどうか。 自分が読…
単純で簡素な文章を思うとき、大切なのは、読む人に「いちばん何を伝えたいか」を明確にすることです。自分が思っていること、自分が感じていることの正体をしかと掴む。その上で、それをどう伝えたらわかってもらえるかを考える。 『文章のみがき方』 〜II-…
自分にしか書けないことを 自分の感覚、心でとらえ 借りものでない自分の言葉で だれにでもわかる文章で書く 『文章のみがき方』 〜II-5 借り物でない言葉で書く P.70, 71〜
人はそれぞれ「心を揺さぶられた文章」を生涯の宝物として心の手文庫に大切にしまっているはずです。ノートに記録された書き写しの文章は、「心の自分史」です。自分のたどってきた道をあきらかにしてくれます。 『文章のみがき方』 〜I-2 書き抜く P.11〜