自分の文明主義のみを尺度とし、他国の文化の特異性をみない

大きな立場から日本という国の文化の特異さを見ようとしなかった。「彼らのすべての虚飾は、自分の共和主義の嗜好と相容れないものだ」と、みずからの文明意識をのみ基準とした。
こういうハリスのやり方は、二十世紀後半に入ってアメリカの時代がきてもつづいている。自分の文明主義を尺度として全世界を批判し検断し、このため第三世界におけるソ連との角逐において多くの無駄骨を折った。
アメリカ素描』 〜第一部 P.109〜