2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

中国人はタテマエとホンネを分ける為、テレビ報道のタテマエの部分だけをみると本質を見誤る

二〇〇五年、日本のメディアは、中国各地の反日デモ(反日暴動)の映像を、繰り返し放送した。若者を中心とする群衆は、町中でみつけた日本軍をこわし、日本語の看板をかかげた店のガラス窓を叩き割り、つかのまの暴動に酔いしれた。その映像を見た日本の視…

中国人は特定の思想の観点から善悪を明確にわける

日本の歌舞伎では、最初悪玉として登場した人物が実は善玉だったり、あるいはその逆だったりと、登場人物の善悪が途中で変わることが多い。日本の民衆は、芝居でも人間の多面性を楽しみたがる。 中国の芝居や映画では、善玉は徹底して善玉で、悪玉は徹底して…

中国人は歴史に美学を求めるため、勝ち負けより美しく戦ったか否かが重要

中国人は、歴史に美学を求める。天下取りの争いに勝っても、中国の王朝の寿命は、せいぜい二百数十年にすぎない。しかし、歴史というキャンバスに描かれた「義」の美学は、永久に残る。千年単位のスケールで見れば、勝ち負けよりも、どれだけ美しく戦ったか…

日本で大衆文化が発展したのはカナという平易な文字があったからで、中国にはそれがない

昔の日本人は、カナ文字を発明した。カナは、簡単に習得できる。そのおかげで、「日本では、幅広い階層が文芸創作に参加することができた。 中国は違った。士大夫は、自らのステイタスを高めるため、漢詩や漢文をわざと難しいものにした。もちろん、カナのよ…

「易姓革命」とは、天の命令により国の統治者を変えること

天皇制をもつ日本と違い、中国では、しばしば「易姓革命」が起きた。「易姓革命」とは、「天使の姓を易え、天命を革める」意で、天の命により天子の家計をとり替えることである。 『貝と羊の中国人』 〜第五章 ヒーローと社会階級 P.110〜

中国人は現実的で商魂の逞しい「貝」の性質と理念や義を重んじる「羊」の性質を持つ

華僑の商才に象徴される中国人の現実主義は「貝」である。儒教や共産主義に象徴される中国人の熱烈なイデオロギー性は「羊」である。 (補足:肥沃な大地に中国東に位置し、交易が盛んであった殷が「貝」の文化、遊牧民的で天による統治を重んじ、儀礼を重ん…

貝と羊の中国人

自分の言うことに対して、それは違うとか、こうしようとか提案でいる人間が役に立つ

「俺の言うことをハイハイと聞くだけの人間は役に立たない。俺の言うことにたいして、それは違う、とか、こうしようと提案できる人間が役に立つのだ」 と言って自分に直言する人を大切にしていたが、十河のような人間に対しては特に信頼が深かった。 『小説 …

法律は仕事の手段

「法律は仕事の手段ではないか」 というのが口癖で、 「それはこの条文に違反するのでできません」 と言われると、 「それならその条文を変えろ」 というのが常だった。 『小説 後藤新平』 〜御親兵一割の損 P.172〜

仕事を受ける際は、予め条件などつけず、要求すべきことが生じたらそのとき要求すればいい

「閣下は台湾総督をお受けするに当たって、どういう条件をつけたんですか」 児玉は座り直して言った。 「条件は何もつけない。ただお受けした。予め条件をつけるなどということは私は好まない。赴任してみて要求すべきことが生じたらそのとき要求すればいい…

普段何を語り、何を「戦っているか」で世間は指示をする

ふだん親しくしている、していないではない。何を語り、何を戦っているかだ。それが正しければ世間は指示する。 『小説 後藤新平』 〜投獄と復活 P.67〜

小説 後藤新平

焦土と化した帝都を「国家百年の大計」によっていかに「復興」させるか、知力を振り絞った

親任式を終えて麻布桜田町の自邸に戻った新平は、母屋の二階奥の和室に籠ると、焦土と化した帝都を「国家百年の大計」によっていかに「復興」させるか、知力を振り絞った。蠟燭の炎がゆらめく薄暗い部屋で、構想を書きつける巻き紙と筆を前に腕を組んだまま…

軍部の惰性で回る大きな車輪の前に身を挺して歴史の流れを変えようとした

軍部の惰性で回る大きな車輪の前に身を挺して歴史の流れを変えようとした。危機を食らって生きる男の本領発揮である。 『後藤新平 日本の羅針盤となった男』 〜第4章 台湾統治 P.231,232〜

見込んだ人間がいれば借金をしてでも支援するという「人間道楽」

情け容赦なくリストラを断行する一方で、仕事ぶりを認めて残した官吏には特別手当を支給し、官舎を建てて住まわせた。思う存分力を発揮しろと叱咤する。総督府の要職には、「一本釣り」でかき集めた秀才たちを配置した。 新平には「人間道楽」といってもいい…

児玉源太郎の人間のケタ

疲れたからだを引きずって、新平は、検疫事業の終了を児玉へ報告しに行った。児玉は、よくやった、とひととり労をねぎらったあと、箱を取り出して言った。 「この箱はきみの月桂冠だ、持っていって、開いてみよ」 はて、なんだろうと新平が箱を開けてみると…

大きな金を動かし、高い効果を期す

のちに「大風呂敷」と陰口を叩かれる新平の予算感覚は、天与のものだった。私的な借財も含めて「大きな金を動かし、高い効果を期す」新平のコスト意識は、本人の派手好みの一面があったにしろ、突きつめれば「金は天下のまわりもの」ととらえるおおらかさと…

人間の群れが生き続けるために必要な「公共」の「経綸」という発光体を持つ後藤新平

近代化の命題に沿って「より多く、より速く、より効率的に人やモノ、資本、情報を流通させる」には都市を大改造し、幅広い道路、鉄道を通し、広場を設け、街を開く必要がある。そうすれば都市の価値はさらに高まり、国が栄える、と新平は発想し、台湾や満州…

後藤新平 日本の羅針盤となった男