2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「反インフレ至上主義」の日銀、「財政原理主義」の財務省

それでも財務省が、自明の理にもきづかず、近視眼的な視点に固執する背景には、省内にはびこる「財政原理主義」がある。財務官僚の脳裏には、目先の財政収支の均衡しかない。そのためなら、これまで見てきたように数字もごまかす。手段は選ばない。 「反イン…

自分の主張への揺るぎない自信

上の人も、自分が昔、決めたことが古くなっていることぐらいわかっている。しかし、立場とプライドがあるので、自分からはいい出せない。本心では、困ったなと思っているはずである。金科玉条のように、間違ったものをずっと守られるのは、本人も辛い。誰か…

小泉政権の本質

身も蓋もない言い方をすれば、小泉政権は、従来の審議会方式による官僚主導から官邸主導に変えただけのことで、与党が国会でパワーを持っていることが当然の前提になっていた。 『さらば財務省!』 〜終章 改革はやめた日本はどうなる P.282〜

霞ヶ関の官僚の市場価格

キャリアは、みな例外なくエリート意識を持っている。はっきりいえば傲慢だ。「日本で有数の頭脳を持つ、超エリートの自分が、一般の民間人より恵まれていてもどこが悪い」が、官僚の感覚で、天下りにも罪悪感はない。 しかし、官僚の自負心とは裏腹に、能力…

安倍政権の快挙が新聞報道されなかったわけ

日頃、マスコミは政治主導の政策づくりが必要だと訴えている。そういう観点から見れば、安倍総理の決断は、まさに霞ヶ関を排除して政治主導の政策決定を目指した歴史的な快挙だったといえるが、不思議なことに、翌日の新聞は事の経緯を一切報道しなかった。 …

さらば財務省!―官僚すべてを敵にした男の告白

半年たてば分子レベルではお変わりありまくり

よく私たちはしばしば知人と旧闊を叙するとき、「お変わりありませんね」などと挨拶を交わすが、半年、あるいは一年ほど会わずにいれば、分子のレベルでは我々はすっかり入れ替わっていて、お変わりありまくりなのである。かつてあなたの一部であった原子や…

生命がDNAをペアで持つという情報保持コストを払うわけ

DNAは紫外線や酸化的なストレスを受けて、配列が壊れることがある。ATAAという部分配列がなくなったとしても、相補的なもう一方の鎖にTATTという構造が保存されていれば、自動的に穴を埋めることができる。事実、DNAは日常的に損傷を受けており、日常的に修…

知的であることの最低条件は自己懐疑ができるかどうか

仮説と実験データの間に齟齬が生じたとき、仮説は正しいのに、実験が正しくないから、思い通りのデータが出ないと考えるか、あるいは、そもそも自分の仮説が正しくないから、それに沿ったデータが出ないと考えるかは、まさに研究者の膂力が問われる局面であ…

本質は単純な直感やひらめきではなく、自分の接したリアリティに宿る

直感は研究の現場では負に作用する。これはこうに違いない!という直観は、多くの場合、潜在的なバイアスや単純な図式化の産物であり、それは自然界の本来のあり方とは離れていたり異なったりしている。形質転換物質についていえば、それは単純な構造しか持…

生物と無生物のあいだ

「暗黙の合意」ができれば、粛々と一定方向に動くのが日本人の取り柄

こうした「暗黙の合意」ができれば、粛々と一定方向に動くのが日本人の取り柄である。時間はかかるが、日本の基幹産業の国際競争力の回復のために、「脱・鎖国」へとづづんでいくことだろう。 『パラダイス鎖国』 〜第4章 日本人と「パラダイス鎖国」 P.175〜

技術や製品の開発をすべて社内で完結するという日本的な企業文化

日本で、大企業がベンチャーを買収するケースがまだ少ないのは、大ざっぱに言えば技術や製品の開発をすべて社内で完結するという日本的な企業文化が存在するからであるが、その背景にはやはり「雇用慣行」がある。買収した企業の人たちをうまく遇することが…

傾斜的に有望産業に資源を注ぎ込まず、多様なものが共存する場を容易する

日本のゆるやかな開国とはどんなものなのか、大きな方向性を一言で言えば「多様性」である。・・・ 日本は、アメリカに次ぐ経済規模の大国である。国を挙げて、決まりきった「有望産業」に傾斜的に資源をつぎ込む必要はない。その「規模」のメリットを、異質…

日本の社会は「議論の分かれる部分」にエネルギーを集中していない

もうひとつの問題は日本の社会の変化が遅く、外界の変化についていけなくなってしまっているということである。 社会システムが抱える問題のうち、「議論の分かれない部分」だけにエネルギーを集中し、「議論の分かれる部分」、すなわち既存のやり方では通用…

パラダイス鎖国

余計な情報をそぎ落とし簡略化する技術が重要

多くの人は情報の受渡しをする際に、簡略化することを恐がります。なぜなら、そぎ落としてしまった情報に必要なものが入っているかもしれないからです。 しかし、特にアウトプットにおいて、簡略化されていない情報というのは受け手にとってとてもわかりにく…

言葉とは五感でつかんでいることを相手の言葉に再構築する技術

よく、読んでわかっていること、あるいは頭で漠然とわかっていることでも、それを他人に伝えられるように「言葉」という形で整理するのは、なかなか難しいと思います。 なぜなら、言葉というのは、私たちが五感で漠然とつかんでいることを、少なくとも相手が…

効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法