2008-04-13から1日間の記事一覧

半年たてば分子レベルではお変わりありまくり

よく私たちはしばしば知人と旧闊を叙するとき、「お変わりありませんね」などと挨拶を交わすが、半年、あるいは一年ほど会わずにいれば、分子のレベルでは我々はすっかり入れ替わっていて、お変わりありまくりなのである。かつてあなたの一部であった原子や…

生命がDNAをペアで持つという情報保持コストを払うわけ

DNAは紫外線や酸化的なストレスを受けて、配列が壊れることがある。ATAAという部分配列がなくなったとしても、相補的なもう一方の鎖にTATTという構造が保存されていれば、自動的に穴を埋めることができる。事実、DNAは日常的に損傷を受けており、日常的に修…

知的であることの最低条件は自己懐疑ができるかどうか

仮説と実験データの間に齟齬が生じたとき、仮説は正しいのに、実験が正しくないから、思い通りのデータが出ないと考えるか、あるいは、そもそも自分の仮説が正しくないから、それに沿ったデータが出ないと考えるかは、まさに研究者の膂力が問われる局面であ…

本質は単純な直感やひらめきではなく、自分の接したリアリティに宿る

直感は研究の現場では負に作用する。これはこうに違いない!という直観は、多くの場合、潜在的なバイアスや単純な図式化の産物であり、それは自然界の本来のあり方とは離れていたり異なったりしている。形質転換物質についていえば、それは単純な構造しか持…

生物と無生物のあいだ