2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

みずから歳月と資本の両方を投資し、経験と訓練を積むことが、成功につながる

最後に、利益になる契約を交渉し、自分たちのスキルに価格をつけ、リスクを査定し、そして悪い契約、悪い取引から撤退する方法を学ばねばならなかった。 これらの理由から、こうした能力は買収できるようなものではないと繰り返し説いた(競争相手はそのよう…

みずから歳月と資本の両方を投資し、経験と訓練を積むことが、成功につながる

最後に、利益になる契約を交渉し、自分たちのスキルに価格をつけ、リスクを査定し、そして悪い契約、悪い取引から撤退する方法を学ばねばならなかった。 これらの理由から、こうした能力は買収できるようなものではないと繰り返し説いた(競争相手はそのよう…

経営者の叱責に負けず信念を貫く勇気があるか

経営幹部チームを作るには、日々、ひとつひとつの事業、ひとりひとりの幹部を観察しなければならない。私は報告書に目を通し、顧客への対応を観察し、会議で考えが明確かどうかを評価した。わたしが叱責したり、眉をひそめたりしてもみずからの信念を貫く勇…

利益を犠牲にして売上を増やすのは経営陣の弱さ

しかし、証券アナリストの責任だと思える間違った見方がひとつある。企業の力を示す指標として、売上高伸び率に子供のようにこだわる点である。もちろん、売上高の伸びは企業の価値を創造する際の一要素であるが、もっとも重要な要素だとはとてもいえない。…

経営幹部の最大の間違いは、期待と評価の矛盾を放置すること

わたしが見てきたなかで経営幹部の最大の間違いは、期待と評価の矛盾を放置することである。わたしは文字通り何百回もこういう様子を見てきた。堅実ですぐれた戦略が会議で提案され、経営者が「よし、これでいこう」と同意する。・・・だが、部下は、上司の…

基幹事業の強化につねに全力を挙げる姿勢

基幹事業の強化につねに全力を挙げる姿勢に密接に関連するのが、買収熱に「ノー」と言える姿勢だ。買収熱には伝染性があり、これにかかる経営者は多い。基幹企業でぶつかった問題を解決するために必死になることと、派手な買収を行って経済ニュースの専門テ…

負けるのが心底嫌い

ショックを受けたのは、わたしの考えやメッセージからではなかった。話し方、情熱、怒り、直截さであった。たとえば、「ぶっ飛ばす」「当社の事業をかすめとる」といった言葉だ。まったくIBMらしくない言葉、経営者らしくない言葉だ。 ・・・それで、わたしはあ…

自分の将来を決める力が自分にあるという自信を取り戻す

社員はそれまで階層制度を支えにしてきたので、個人として結果に責任を負うことには消極的だった。自分の権限と利用できる資源を使って仕事をすすめるのではなく、つねに上司の指示を待つ姿勢をとってきた。上司に判断を委ねてきたのだ。結局、企業文化の変…

組織の価値は構成する人びとの生み出せる価値で決まる

IBMでの約十年間に、わたしは企業文化が経営のひとつの側面などではないことを理解するようになった。ひとつの側面ではなく、経営そのものなのだ。組織の価値は要するに、それを構成する人びとが全体として、どこまで価値を生み出せるかで決まる。ビジョン、…

eビジネスの世界における本当の地殻変動

たしかに面白い企業があり、このうちの一、二社はいずれ黒字化するだろう。だが、嵐の前の蛍だと思っている。一切に騒ぎ出し、光を放っている。嵐が起きるのは、本物の地殻変動が起きるのは、既存の多数の企業が世界的なコンピューター・ネットワークと通信…

完璧より早いほうがいい

『リエンジニアリング革命』の著者のひとり、マイケル・ハマーはニューヨーク・タイムズ紙でこう語っている。「ガースナーは完璧を目指すよりは早いほうがいいと判断した。昔のIBMなら忌み嫌われていたはずだ。これはトップが起こしうる、最も重要な変化だ」…

ビジョンを封印し冷徹で実効性の高い戦略を実現する

「ここで今回の発表の背景について説明したい。わたしがいつIBMのビジョンを発表するか、さまざまな憶測が飛びかっている。皆さんに申し上げたいのは、いま現在のIBMにもっとも必要ないもの、それがビジョンだということだ」 記者たちの瞬きの音が聞こえてき…

難しく痛みの伴うことは迅速に実行する

経営難に陥った企業の債権をいくつも経験してきたが、最初に学んだ点のひとつはこうだ。むずかしいこと、痛みの伴うことをやらねばならないのであれば、それがどんなことであれ、迅速に実行すべきであり、具体的に何をするのか、そしてそれはなぜなのかを全…

戦略を実行するのは経営幹部の仕事であってCEOの仕事ではない

わたしは戦略の策定に全力を尽くす。それを実行するのは経営幹部の仕事だ。非公式な形で情報を伝えてほしい。悪いニュースを隠さないように。問題が大きくなってから知らされるのは嫌いだ。私に問題の処理を委ねないでほしい。問題を横の連絡によって解決し…

巨象も踊る

政治的立場ということば

あなたがシステムやプログラムの専門家であり、その観点からみて、「なんで世の中ってこうなっていないんだろう」という疑問を感じているのなら、それはもうすでに立派な政治的立場なのだと指摘したい。まさに、「これからの真の政策的論争点は、アーキテク…

ネットワークに治安と統治をもたらすためには

ネットワークの治安とか統治の問題で、いま一番必要なのは、アンダーグラウンドと呼ばれる領域が何を価値として動いているのかを研究し明確化する作業とか、明確化された価値を正当な政治的要求としてまとめるとか、そういうことなのかもしれない。世界的に…

相対する正義を掲げてルールに基づいた闘争をし、法を形成

相対する正義を掲げてルールに基づいた闘争をする中で、法を形成していくことがアメリカ人たちの法文化だといえる。 『インターネットの法と慣習』 〜第2章 権利をしっかり知っておく P.97〜

自力救済の精神・手続き的正義の実現・それを支える名誉感情

ネットワークに法をもたらすには、他人の力に依存しないで自力救済の精神と、それを支える手続き的正義の実現、その手続き的正義を支える名誉感情、権利意識といった、えらく騎士道的な精神態度が要求される。 『インターネットの法と慣習』 〜第2章 権利を…

ネットワークの活動において名を持つことの重要性

ただ、ネットワークでの活動において固定した「名」を持ち、その「名」においてネットワーク社会での一種の地位が獲得されるような慣習があれば、紛争解決のルールが形成され、法へと発展する足がかりを築ける。 『インターネットの法と慣習』 〜第2章 権利…

ルールに則った喧嘩が法を生み出す基礎になる

ネットワークにおいて自力救済が必要とされるような領域が存在していること、それは究極的な権力がネットワークにおいて存在していないことから生じること、そうした究極的な権力が存在しない社会における紛争解決の例についてはすでに書いた。 続いて、究極…

英米法と大陸法の違い

英米法と大陸法では、法律のもつ重みが違う。英米法では、法律が「正しさ」に向かうための一般的なガイドラインに過ぎないのに対して、大陸法では、「正しさ」とは論理的に法律に合致していることに(ほとんど)等しい。そうすると、法律を作るときの気合の入…

法は人間による数多くの失敗を矯正してきた歴史である

本当の意味での「law」は、人間がこれまでやってきた数多くの失敗をどのように矯正してきたのか、という長い長い歴史の観察に基づいているわけです。すなわち、科学の法則と同じように、社会の法則、人間の法則という意味が込められているのです。 『インタ…

法は自分たちが発見して発展させていくもの

ネットワークに生息する「部族」である皆さんに「道理」があるなら、まだ声をあげても構わないと思うし、法は皆さんの共通合意と文化に親和的なものであるべきだと思う。法は、もう出来あがってるものでなくて、誰かが決めるものでもなくて、自分たちが発見…

法は人々の共通合意や文化を背景にして正当性を保つ

法は、それが適用される人々の共通合意や文化を背景にして正当性を保つ。 『インターネットの法と慣習』 〜第1章 法の根っこを考える P.16〜

インターネットの法と慣習