組織の価値は構成する人びとの生み出せる価値で決まる

IBMでの約十年間に、わたしは企業文化が経営のひとつの側面などではないことを理解するようになった。ひとつの側面ではなく、経営そのものなのだ。組織の価値は要するに、それを構成する人びとが全体として、どこまで価値を生み出せるかで決まる。ビジョン、戦略、マーケティング、財務管理の側面が正しければ、そして、経営システムの他の側面が正しければ、正しい道を進むことができ、しばらくは成功を収めることができる。だが、どんな組織も、企業にかぎらず、政府、教育機関医療機関など、どんな分野の組織であろうと、これらの正しさがDNAの一部になっていなければ、長期にわたって成功を続けることはできない
『巨象も踊る』 〜第20章 企業文化 P.241〜