自分の将来を決める力が自分にあるという自信を取り戻す

社員はそれまで階層制度を支えにしてきたので、個人として結果に責任を負うことには消極的だった。自分の権限と利用できる資源を使って仕事をすすめるのではなく、つねに上司の指示を待つ姿勢をとってきた。上司に判断を委ねてきたのだ。結局、企業文化の変革でわたしが根本的な目標にしたのは、IBMに働くひとりひとりの人間が自信を取り戻すように促すことであった。自分の将来を決める力が自分にあるという自信、必要なことはすでに知っているという自信を取り戻すように促した。
・・・<中略>言い換えれば、社員にわたしの話を聞き、目標を理解するよう求め、ともに目標に向かって進もうと呼びかける一方で、言われたことをやる追随者の立場から離れるように求めた。
『巨象も踊る』 〜第20章 企業文化 P.250〜