2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

Googleと「戦略技術」

グーグルは明らかに「戦略技術」の開発を最優先事項とする会社として登場した。ネット産業界の突然変異だった。だから最初は皆、グーグルが何をやっているのか、何を目指しているのか、全くわからなかった。しかし2002年頃からグーグルの台頭が誰の目にもは…

eBay / Yahoo! / Amazonも「基盤技術」

しかし洋の東西を問わず、eBayもYahoo!もAmazonも含め、ネット企業というのはコンシューマー向けサービス事業という性格を色濃く持つので、ごく普通の経営を指向すると自然に「技術の位置づけ」はそういうもの、つまり「基盤技術」的性格を持つようになる。…

技術志向の経営

誰も持ち得ない「戦略技術」を開発し、それで道を切り開こうとする「技術指向の経営」ではなかった。http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20060127

ライブドアの経営における技術の位置づけ

ライブドア経営陣は、少なくともある時期以降、自社の成長を、M&Aと提携戦略とブランド戦略(堀江ブランド)を軸に、スピード速く展開しようとした。自社が有する「高い技術」は、それを支える「基盤技術」として位置づけた。誰も持ち得ない「戦略技術」を開発…

My Life Between Silicon Valley and Japan

My Life Between Silicon Valley and Japan

[]

村田蔵六という人間

しかしひらきなおって考えれば、ある仕事にとりつかれた人間というのは、ナマ身の哀歓など結果からみれば無きにひとしく、つまり自分自身を機能化して自分がどこかへ失せ、その死後痕跡としてやっと残るのは仕事ばかりということが多い。その仕事というのも…

村田蔵六と目的主義

「薩人の海江田武次だけは、気をつけられてほうがよろしい」 という注意をあたえた。しかし蔵六は「それはどういう意味か」ともきかず、ただだまっていた。時代の道具として存在しているこの男は、道具がそうであるようにつねに目的主義であり、その間の日常…

技術と思想はセット

ただ蔵六は、軍事技術者として民衆のエネルギーを欲した。それ以外に幕府をたおす戦力をつくりあげることができない。 蔵六は、単に技術者にすぎない。それも西洋式の軍事技術者であった。技術は技術そのものとして単独に存在することはない。技術にはかなら…

政治家に必要なもの

政治家というものは、蔵六のように洋学に深くなくても、物事についての知識や情報をあつめてその本質を洞察するという能力が必要・・・『花神』 〜中巻 P.290〜

将帥は寡黙でなければならない

「将帥は寡黙でなければならない。いちいち物事におどろいたり口やかましく感想を囀っているようなことでは、配下はそのことにふりまわされて方途に迷う」『花神』 〜中巻 P.155〜

精神の躍動は驚きから生まれる

田舎者のとりえは、外界に出てきたとき見るもののすべてが驚きであるということであった。精神の躍動というのは、おどろきからうまれるものであろう。 福沢という、この文明に対して稀代の感受性をもった人間は、横浜で仰天することによって、横浜というほん…

事実は何か?が重要

原理というものを優先して実在を軽視すればよき智恵も曇る。原理にあわぬからといって実在を攻撃することはいけない。『花神』 〜上巻 P.356〜

1138433527[Tips]技術とは目的を達成するための計算

船が、うごいている。海が背後に押しやられ、へさきに白波が湧いている。平素沈鬱なばかりの家老松根図書までが子供のようなはしゃぎ声をあげ、 「村田、進んでいるではないか」 と、ふりかえって叫んだ。が、蔵六の悪いくせが出た。 「進むのは、あたりまえ…

花神

花神(中) (新潮文庫)作者: 司馬遼太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1976/09/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (39件) を見る

必然性を受け入れたものだけ生き残る

要は音楽がITやネットによって、流通形態や消費者のリスニングスタイルが変わっていくということは「良い」「悪い」とかそのようなレベルで議論されるべきものではなく「必然」的な現象として捉えられるべきものなのだ。そしてこの「必然である」ということ…

多様性は啓発的

多様性は啓発的なものであり、容易に利用できるようになれば、人々は確実にそれに心を開くものだ。『デジタル音楽の行方』 〜第8章 P.239〜

ファン層を築き、その後で課金する

突き詰めれば、デジタルコンテンツに関して一番重要なことは、常に露出の機会を得て知ってもらい、そしてその後でファンをお金につなげることである。これこそ、大半のメジャーレーベルの戦術の中でいまだに手が届いていないように見える重要な課題である。…

不正コピーへのソフトウェアメーカーの対応

マイクロソフトやIntuitなどの主要なコンピュータソフトウェアメーカーは、消費者が正規で購入したのにインストールや動作すらきちんとできないプログラムにどんどん不満を募らせると、過度に制限を課すコピー防止スキームから手を引いた。ソフトウェアビジ…

六千万人を監獄に放り込むか?

RIAAがもっぱら「海賊コミュニティ」と呼ぶこれらの音楽ファンは、地球上で最大の音楽市場を構成している。この現象はいずれも消滅するものにすぎないのだろうか?電子フロンティア財団のフレッド・フォン・ローマンは、二〇〇三年にRIAAによる訴訟について…

体験のためにお金を払う

我々は、「体験のためにお金を払う」というのが、将来の音楽の価格設定にとってもっとも重要なパラダイムになると考える―それは「機械的複製」やCDの価格の固定化された価値からの完全な方向転換になる。 『デジタル音楽の行方』 〜第8章 P.219〜

新技術と法的規制

結局のところ、関係官庁への大量のロビー活動に従おうがそうでなかろうが、根本的な技術革新に打ち勝つに足る強力な法的ルールは存在しない。それなのに、何百万人もの人々の実際の週間に逆行する法的ルールが採用されがちだ。法廷は不可避な進歩を遅らせる…

変化をもたらす新技術

変化をもたらす力のある新技術は、それがもはや抑えきれなかったり、疑問の余地がなくなったり、あるいは訴訟で排除できないとわかるまで、必ずと言ってよいほど徹底的に抵抗され、そしてその後でテクノロジーの供給者が買収なり支配されることでしぶしぶ受…

音楽はハードウェアメーカーのトロイの木馬

音楽はハードウェアのためのトロイの木馬であり、それはコンシューマ向け家電メーカーにとって音楽が常にその役割を果たしたのとほぼ同じである。・・・ハードウェア製造メーカーが今後デジタル音楽が広く行き渡った状況をうまく活用するにつれ、より多くの機能…

上げ潮にのる

ファイル共有の隆盛に抵抗するのは、結局のところ、売り込まなければならない音楽が何であれ、それをほぼ無料で莫大なオーディエンスに届ける手段が存在するという事実を無視することである。ことわざにあるように、上げ潮はすべての船を押し上げるのだ。そ…

和解支払い金の寄付

ジョーダンは、意見を求め、和解支払い金の寄付を集めるべくChewplastic.com(www.chewplastic.com)を立ち上げた。本書執筆時点で、彼はRIAAに支払うことを余儀なくされた一万二千ドル全額を集めてしまった。『デジタル音楽の行方』 〜第5章 P.142〜

売上ナンバーワンのCD

現時点で新しいオーディオフォーマットはMP3ファイルであり、一番売れているディスクは、中身が空の録音できるCDだ。『デジタル音楽の行方』 〜第5章 P.127〜

付加価値以外に効き目はない

CDを買う人が少なくなっているのは、音楽を無料でてにいれられるからではなく、単にお金をよそで使っているからなのだ。したがって若い音楽ファンが、他に買うものと比較して値段に見合わないものに限られた小遣いを費やすのでなくファイル共有に向かうのは…

アイデアの伸びは非線形

テクノロジーが世界全体をみんなにとってのコーヒーショップのように変え、アイデアをすばやく広め、交換でき、そのアイデアはあっという間に「姿を変え」、前よりもずっと簡単にお互いの肩の上に乗れるようになる。そのプロセスのスピードとバイラル(ウィル…

商用利用の測定

作品が模倣される作者に対する補填、もしくは最低限でも創作の源への帰属が現在より少なくてよいと言っている訳ではない。いまやあらゆるテクノロジーが利用できるのだから、既知の作品の商用利用をより確実に測定、報告する手段を見出すことに今後取り組む…