技術と思想はセット

ただ蔵六は、軍事技術者として民衆のエネルギーを欲した。それ以外に幕府をたおす戦力をつくりあげることができない。
蔵六は、単に技術者にすぎない。それも西洋式の軍事技術者であった。技術は技術そのものとして単独に存在することはない。技術にはかならず思想がくっついていて、ときに技術そのものが思想である場合もありうる。蔵六はみずから意識したかどうか、平等思想の徒であった。

花神』 〜下巻 P.83〜84〜