2006-01-01から1年間の記事一覧
お金よりも賞賛であるとか、情報の占有より共有とか、そういう物の考え方の組み合わせは、やっぱりものすごく新しいことだと思います。ITの歴史はわずか五十年ですが、この五十年の中でその組み合わせからあるパワーが生まれつつあるということは、ITの進化…
僕にはこうした現象も含めて、ネット世界のことが面白くてしょうがないんだけれども、この感覚をシェアできる同世代の知人が本当に少ない。リアル世界の第一線で活躍している人ほど生活が忙しすぎて、知的好奇心の磨耗が起きている、という感じがするんです…
実はこの間、将棋の羽生義治さんと話してて、「僕はもう四十五歳で、既にピークを越しているかもしれないって思ってたけれど、最近はこれからもっと頭が良くなっていくかもしれないなって思う時があるんですよ」って話したんです。そしたら彼は「だってイン…
グーグルはマイクロソフトに買収される可能性だってあったわけですが、創業者が議決権十倍の特殊株を持つという異例の株主構造にして、上場しても絶対に買収されないように工夫したんですからね。この自分たちが作った化け物みたいになっちゃった構築物は、…
僕はあまりにもテクノロジー・コマーシャリゼーション(技術の商用化)というか、技術の方から世の中を変えることの難しさを知りすぎてしまっているのかもしれませんね。やろうとして出来なかった死屍累々を見てきているから。だからこそ、グーグルとアマゾ…
本の未来は最終的に平野さんのおっしゃるとおりになるのかもしれないけど、そういう未来を作ることに誰がどこまで情熱を持つかという問題が、現実的にはものすごく大きいのです。まず、出版社の人たちが本当にそっちにいきたいのかどうかは疑問ですね。 ・・…
一つの悪意が無数の善意を吹き飛ばしてしまう。僕もそういう気分になることがあります。でも、それでネットを否定してしまったら、もったいない。個として、そういう負の部分をやり過ごす強さとか、見ないようにするリテラシーを、これからのネット社会では…
行為の結果が社会的な自己に跳ね返ってこないというのは、決定的に新しいんじゃないですかね。・・・ネットで行われることは、匿名である限り、身体を備えた主体に返ってこないから、行為には一種の無責任性がある。 『ウェブ人間論』〜第二章 P.90、93〜
ネットには、リアル社会やいわゆる「エスタブリッシュメント」を、シニカルに笑いあっているような雰囲気が、まあ、一部にある。僕はそれが、悪いとは思わないんですよ。今の世の中で、くだらないと思うことは僕だってたくさんありますから。だけど、その笑…
私的なことを公の場所に持ち込まないという日本人の古い美徳は、今や単に社会全体の効率的な経済活動から、個人の思いだとか、思想だとかを排除するための、都合の良い理由付けになってしまっている。 『ウェブ人間論』〜第二章 P.78〜
ところがオープンソースの世界では、ソフトウェアのコードをネット上に無償で公開すると、いきなりロシアとか中国とかシリコンバレーからでも「おまえのここのコードはすごい」とか、「俺も同じこと考えてた」とか、世界中の不特定多数の開発者からリアクシ…
だけど、これは人間観の問題になりますが、僕にはどうしても、一個の人間の全体がそんなに社会的に「有益」であり得るとは思えない。僕だってその内実は、他人にとって何の役にも立たない部分が大半ではないかと思う。だけど、その役に立たない部分も含めて…
九十年代後半以降のネット検索時代を経ると、情報なんてものは、そういう一部の「専門家」だけじゃなくて、誰でもがアクセスできるし、そもそもがとても一人の手には負えないほど膨大で、結局は選択的に自分の関心のある世界のものだけに手を伸ばすか、大雑…
少しまとまった時間があれば、いつもチェックしているブログを見に行きますが、それだけでも、英語のもの、日本語のものあわせて三百から四百くらいあります。気になっている人三、四百人の日常や、いま考えていることを、シャワーのように浴びるっていう感…
第一に、「現地主義」を推しすすめたことである。この「現地主義」という言葉は、えてして現地エゴとか、ヒト・モノ・カネを現地から調達するという意味だけにうけとめられがちであるが、河島のそれは異なる。すでに述べたように、現地法人には、アメリカの…
以来、住吉は生涯、河島博をビジネスの氏として仰いだ。のちのちまで「本質とは何かを考え抜くよう仕向けられた」「ビジネスとは見えないものを見えるようにしていくことだと教えられた」と語っていた。 『社長の椅子が泣いている』 〜第五章 P.192〜
河島は駆けだしのころのこの苦い体験をその後も忘れることなく、後年、企業参謀としてダイエーに迎えられてからも「ビジネスの神様」という言葉をしばしば口にしている。まとめあげた施策が合理性と整合性をそなえ、いかなる角度から見てもビジネス倫理や道…
いったいどうして多くの企業は、世間から話題にされたとき、しかも不正確もしくは筋違いな噂をたてられたときに、対応が遅く、硬直的な方法をとってしまうのか?非難に対してそれを無視したり、打ち消そうとしたり、向きになったりすることがあまりにも多い…
ブログ界で利益を図ろうとするのはたやすいが、それで反発を買うとブロガーは手ごわい相手になる。期せずしてそうしてしまったら、「愛のムチ」が待っている。だがブログ界は許しの場でもあり、失敗を認めて本物になろうと努力する企業にやさしくもある。 『…
マイクロソフトのマイク・トレースは「人々は自分の意見が相手に聞かれていると思えば、ずっと礼儀正しくなるものだ」と話している。 『ブログスフィア』 〜第9章 P.210〜
ブログは管理できないから信用があり、事実に基づいているから持続性があり、会社の製品やサービスについてのコメントに基づいているからパワフルだ。賢い会社ならオンライン上での批判に学ぶものだし、どんな情報源に基づいてでも製品やサービスを継続的に…
ブログをやっているコンサルタントは、自分の思い通りに事を運びたいという誘惑に勝たなければならない。 『ブログスフィア』 〜第6章 P.145〜
彼らが最も頻繁に受ける質問は、「ネガティヴな投稿に対してはどうするのか」というものだ。「人々は、ネガティヴと受け取れるコメントが投稿されることに怯えています。もちろん、まったくばかげています。自社に支持者がいることを忘れ、彼らの判断力を信…
口コミに何より勢いをつけるのは、自分が信頼する人々に対するロイヤリティ(忠誠心)である。有名ブランドを持つ企業に対するロイヤリティではない。人々は何か新しいものに出くわすと、仲間に話さずにはいられないのだ。そんな早耳になりたいし、仲間に影…
ブログはひとつの時代に終わりをもたらし、新たな時代を開くものになるだろう。この新時代には、顧客に話しかけているだけの企業は勝てない。相手の話を聞かなければならないのだ。私たちはこれを「会話の時代」と呼んでいる。それは世の中の何かを変え、あ…
もっと気さくな言葉で、気軽に会話し合うことで、マス広告を脅かしているのだ。たいていの人は、60秒スポットにきれいに収められて言葉より、気さくな口コミを信じる。こうした根本的な変化によって、顧客は企業社会の周辺から中心へと、位置づけなおされる…
平凡、中立性、慎重さからは良いブログは生まれない。社内外との対立や製品開発上のトラブルなどについて本質を話していないブログは信用されない。・・・ ワイプロのブログは同社の経営者チームによって書かれており、どうやら彼らは、退屈な書き方速習コース…
後に講演旅行に出たフィオリーナは、HPの性差別を主張し、かつて出張中にいやいやストリップショーに連れていかれたこともあると話した。HP社員からは、性別にかかわらず、これについて何の投稿もされていない。 自社にかかわる微妙な問題について発言を避け…
ブログ界で利益を図ろうとするのはたやすいが、それで反発を買うとブロガーは手ごわい相手になる。期せずしてそうしてしまったら、「愛のムチ」が待っている。だがブログ界は許しの場でもあり、失敗を認めて本物になろうと努力する企業にやさしくもある。 『…