2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

アメリカにおける政教分離は、政府・国家と特定の宗教組織の分離(separation of church and state)である

注意すべきは、政教分離について、日米両国の理解に違いがある点である。日本における政教分離についての一般的な理解は、宗教と政治の分離(separation of religion and politics)である。しかし、アメリカにおける政教分離は、宗教と政治の分離ではなく、政…

土地の所有はヨーロッパでは階級社会の根拠になったが、アメリカでは民主制の根拠となった

ヨーロッパにおいては、土地は希少な価値として身分制の根拠になったのに対し、アメリカ、とくにその西部農民社会においては、当初より土地所有は広範な社会層に行き渡り、逆に民主制の根拠になった。 『アメリカの歴史―テーマで読む多文化社会の夢と現実』 …

書斎における哲学的思索ではなく、現実的な政治的実践の中からアメリカの政治思想は生まれた

今日のアメリカ政治思想の萌芽は、ヨーロッパ起源の政治思想をいかに新大陸の環境に適用し、新しい政治秩序を構築するかという現実の模索の中から生まれたといってよい。アメリカの政治思想は当初から、書斎における哲学的思索からというより、現実的な政治…

アジア系アメリカ人は人数は少ないものの、高所得・高学歴のモデル・マイノリティとなっている

今日、アジア系は、アメリカの総人口にしめる割合がわずか3.6%であるものの、高所得・高学歴の「モデル・マイノリティ」として、多民族国家アメリカで確固たる地歩を占めている。 『アメリカの歴史―テーマで読む多文化社会の夢と現実』 〜第8章 太平洋を越え…

ヨーロッパの階級社会への問題意識がアメリカの出発点

新共和国アメリカの人々は、共和国は自立した対等な市民で構成されるべきだと考え、ヨーロッパの階級社会の実害を避けようとした。しかしながら、19世紀の資本主義発展は、「階級のない社会」という理念を切り崩し、他人に雇われて働かなければ飢えてしまう…

アメリカの歴史―テーマで読む多文化社会の夢と現実

後藤以上の理想家、兼実行家はいない

後藤以上の理想家はいるかもしれない。後藤以上の実行かもいるかもしれない。しかし、その双方をかねているのは、ほかにいない。 『後藤新平の「仕事」』 〜後藤新平の「仕事」 P.167〜

後藤新平の発想は自分が死んで何世代かした後に実ればよいという射程距離の長さがあるが、政党政治の政治家は票集めのための現世利益しかみない

政治家がふつう考えているのは、自分のときにどう実現するかということですけれども、多分後藤の発想には、自分が死んで何世代かしたときに実ればいいというぐらいの射程距離の長さがあると思うんですね。悲しいことに、日本の近代を指導した薩長にも、それ…

従来からの因習にとらわれず、考えの土台となる調査をし、現実からあるべきものを作り出す

彼は従来からの因習にとらわれない。従来からの因習にとらわれないということは、何か事を始めるに当たって、既にある考え方とか方向性に従うのではなくて、考え方や方向性をだすために、きちんと土台になるものを「調査」して、現実からあるべきものを作り…

後藤新平の「仕事」