2011-06-03から1日間の記事一覧
注意すべきは、政教分離について、日米両国の理解に違いがある点である。日本における政教分離についての一般的な理解は、宗教と政治の分離(separation of religion and politics)である。しかし、アメリカにおける政教分離は、宗教と政治の分離ではなく、政…
ヨーロッパにおいては、土地は希少な価値として身分制の根拠になったのに対し、アメリカ、とくにその西部農民社会においては、当初より土地所有は広範な社会層に行き渡り、逆に民主制の根拠になった。 『アメリカの歴史―テーマで読む多文化社会の夢と現実』 …
今日のアメリカ政治思想の萌芽は、ヨーロッパ起源の政治思想をいかに新大陸の環境に適用し、新しい政治秩序を構築するかという現実の模索の中から生まれたといってよい。アメリカの政治思想は当初から、書斎における哲学的思索からというより、現実的な政治…
今日、アジア系は、アメリカの総人口にしめる割合がわずか3.6%であるものの、高所得・高学歴の「モデル・マイノリティ」として、多民族国家アメリカで確固たる地歩を占めている。 『アメリカの歴史―テーマで読む多文化社会の夢と現実』 〜第8章 太平洋を越え…
新共和国アメリカの人々は、共和国は自立した対等な市民で構成されるべきだと考え、ヨーロッパの階級社会の実害を避けようとした。しかしながら、19世紀の資本主義発展は、「階級のない社会」という理念を切り崩し、他人に雇われて働かなければ飢えてしまう…