2006-01-27から1日間の記事一覧

必然性を受け入れたものだけ生き残る

要は音楽がITやネットによって、流通形態や消費者のリスニングスタイルが変わっていくということは「良い」「悪い」とかそのようなレベルで議論されるべきものではなく「必然」的な現象として捉えられるべきものなのだ。そしてこの「必然である」ということ…

多様性は啓発的

多様性は啓発的なものであり、容易に利用できるようになれば、人々は確実にそれに心を開くものだ。『デジタル音楽の行方』 〜第8章 P.239〜

ファン層を築き、その後で課金する

突き詰めれば、デジタルコンテンツに関して一番重要なことは、常に露出の機会を得て知ってもらい、そしてその後でファンをお金につなげることである。これこそ、大半のメジャーレーベルの戦術の中でいまだに手が届いていないように見える重要な課題である。…

不正コピーへのソフトウェアメーカーの対応

マイクロソフトやIntuitなどの主要なコンピュータソフトウェアメーカーは、消費者が正規で購入したのにインストールや動作すらきちんとできないプログラムにどんどん不満を募らせると、過度に制限を課すコピー防止スキームから手を引いた。ソフトウェアビジ…

六千万人を監獄に放り込むか?

RIAAがもっぱら「海賊コミュニティ」と呼ぶこれらの音楽ファンは、地球上で最大の音楽市場を構成している。この現象はいずれも消滅するものにすぎないのだろうか?電子フロンティア財団のフレッド・フォン・ローマンは、二〇〇三年にRIAAによる訴訟について…

体験のためにお金を払う

我々は、「体験のためにお金を払う」というのが、将来の音楽の価格設定にとってもっとも重要なパラダイムになると考える―それは「機械的複製」やCDの価格の固定化された価値からの完全な方向転換になる。 『デジタル音楽の行方』 〜第8章 P.219〜

新技術と法的規制

結局のところ、関係官庁への大量のロビー活動に従おうがそうでなかろうが、根本的な技術革新に打ち勝つに足る強力な法的ルールは存在しない。それなのに、何百万人もの人々の実際の週間に逆行する法的ルールが採用されがちだ。法廷は不可避な進歩を遅らせる…

変化をもたらす新技術

変化をもたらす力のある新技術は、それがもはや抑えきれなかったり、疑問の余地がなくなったり、あるいは訴訟で排除できないとわかるまで、必ずと言ってよいほど徹底的に抵抗され、そしてその後でテクノロジーの供給者が買収なり支配されることでしぶしぶ受…

音楽はハードウェアメーカーのトロイの木馬

音楽はハードウェアのためのトロイの木馬であり、それはコンシューマ向け家電メーカーにとって音楽が常にその役割を果たしたのとほぼ同じである。・・・ハードウェア製造メーカーが今後デジタル音楽が広く行き渡った状況をうまく活用するにつれ、より多くの機能…

上げ潮にのる

ファイル共有の隆盛に抵抗するのは、結局のところ、売り込まなければならない音楽が何であれ、それをほぼ無料で莫大なオーディエンスに届ける手段が存在するという事実を無視することである。ことわざにあるように、上げ潮はすべての船を押し上げるのだ。そ…

和解支払い金の寄付

ジョーダンは、意見を求め、和解支払い金の寄付を集めるべくChewplastic.com(www.chewplastic.com)を立ち上げた。本書執筆時点で、彼はRIAAに支払うことを余儀なくされた一万二千ドル全額を集めてしまった。『デジタル音楽の行方』 〜第5章 P.142〜

売上ナンバーワンのCD

現時点で新しいオーディオフォーマットはMP3ファイルであり、一番売れているディスクは、中身が空の録音できるCDだ。『デジタル音楽の行方』 〜第5章 P.127〜

付加価値以外に効き目はない

CDを買う人が少なくなっているのは、音楽を無料でてにいれられるからではなく、単にお金をよそで使っているからなのだ。したがって若い音楽ファンが、他に買うものと比較して値段に見合わないものに限られた小遣いを費やすのでなくファイル共有に向かうのは…

アイデアの伸びは非線形

テクノロジーが世界全体をみんなにとってのコーヒーショップのように変え、アイデアをすばやく広め、交換でき、そのアイデアはあっという間に「姿を変え」、前よりもずっと簡単にお互いの肩の上に乗れるようになる。そのプロセスのスピードとバイラル(ウィル…

商用利用の測定

作品が模倣される作者に対する補填、もしくは最低限でも創作の源への帰属が現在より少なくてよいと言っている訳ではない。いまやあらゆるテクノロジーが利用できるのだから、既知の作品の商用利用をより確実に測定、報告する手段を見出すことに今後取り組む…

パブリックドメインへの制限の功罪

合衆国憲法の起草以来、大勢の企業弁護士による著作権法の広範囲に及ぶ書き直しは、新参のアーティストが過去のイノベーションを気楽に利用すること、何よりまず過去の大家に直接的にインスピレーションを受けることを妨げ、芸術的なイノベーションを大いに…

インターネットを作り変える?

メディア産業の一部が「インターネットが自分達を作り変える前に、インターネットを作り変え」ようとする大規模な動きに意義を唱えている。『デジタル音楽の行方』 〜第3章 P.71〜

製品からサービスへの移行でパイが拡大

サービス産業に姿を変えれば、音楽産業は今日の製品ベースのシステムより何倍も大きくなる可能性が高い。それでも物理的な製品(新しいフォーマットにはなるだろうが)が一部残るが、それに加えて膨大なデジタル音楽製品、サービスが利用できるようになる。し…

音楽はかつて製品ではなくサービスだった

実際に演奏会に行かなくても蓄音機で音楽を聞けるようになるというのは一大事件だった。蓄音機は音楽の概念を動的なその場限りのエンターテインメント体験から固定化された製品に永遠に変えてしまった。・・・突き詰めると音楽は演奏やサービスから製品に移行し…

新技術の生み出す無秩序と寡占支配への執着

テクノロジーは、テレビが生まれたときにちょうど映画産業に対してそうだったように、音楽産業に大きな断絶をもたらしている。映画館は当初テレビを大きな脅威とみなした。同じくラジオの誕生時には、音楽出版社は最初のラジオ局の営業を停止させようと訴訟…

譲歩がないのでP2Pが極端に普及

P2Pの猛威は実際にレコード会社を滅ぼしてしまうかもしれないが、既存の著作権所有者がコントロールを保持しようとするのを阻んでいるわけではない。レコード会社が新しいビジネスモデルの実験を可能にする提携や譲歩をしてなかったことが、ファイル共有やそ…