Management

戦略とは、明確な資源制約の中で、活動成果を最大にするために、何をやらないかを決めること

「戦略」という言葉はいろいろな意味で使われる。筆者の定義は、「明確な資源制約のなかで活動成果を最大化するために、資源投入の優先順位を明確にすること」=「有限な資源の限界に悩む企業・個人においては、何をするかを決めるだけでなく、そのために何…

攻略地点の決定、侵攻部隊の集結、競争における自社のポジショニング、販売チャネルの選定

基本戦略は、Dデー作戦に倣ってメインストリーム市場のなかのターゲット・セグメントをひとつ選定し、そこを攻略することである。そして、この攻略を成功させる為に四つの戦術を採用することにした。 最初の戦術は攻略地点の決定である。これは、ターゲット…

マーケットの大きさは、価値命題の大きさとホールプロダクトがそれにどこまで応えられるかで決まる

たとえば、「この市場の大きさは?」という質問だ。ふたたび、この質問に対する率直な答えはーマーケットの大きさは、価値命題(すなわち「購入の必然性」)の重要性と、ホールプロダクトがその価値命題にどこまで応えられるかによって決まるーということに…

OEMは協力な営業力を保有しているため非常に有効な販売チャネル

無名のベンダーが慎重な実利主義者に製品を売り込むときには、相手先のベンダーの営業力を利用できるという点で、OEMはきわめて有効な販売チャネルに見える。しかし、まだ世間でよく知られていない製品をOEMで組み込むような相手先を見つけられるかと言う問…

システムインテグレータは販売チャネルではなく、顧客の代理人とみるべき

システムインテグレータは本来的に販売チャネルではないし、彼らがまったく同じシステムを二度開発することはない。システムインテグレータは、販売チャネルというよりもむしろ顧客の代理人とみるべきであり、ベンダーの経営陣がトップ営業を推進すべき相手…

小売業者もっとも得意とするのは顧客の需要を満たすことであって、決して需要を創出することではない

小売業者もっとも得意とするのは顧客の需要を満たすことであって、決して需要を創出することではないという点を強調しておきたい。直販と違って、小売業者が商品を販売するとき、顧客にコンサルテーションを行うことはない。 『キャズム』 〜第7章 作戦の実行…

キャズムを越えるときは自らの運命を切り開くために直販が一番最適な販売チャネル

キャズムを越えるときの最適の販売チャネルは直販であることに変わりはない。そして何よりも、直販こそが、ベンダーの運命を自ら切り開いていける手段なのだ。 『キャズム』 〜第7章 作戦の実行 P.276〜

実利主義者はベンダーがマーケットリーダーであるかを見て、次にパートナー企業の数と質を見る

ひとことで言えば、ベンダーがマーケット・リーダーであるかどうかについて実利主義者がもっとも信頼する裏付けはマーケットシェアである。しかし、そのような客観的なデータが存在しない場合に実利主義者が次に見るのは、ベンダーのパートナーや提携企業の…

ビジョナリーというのは、新たなテクノロジーの可能性を、同業他社のなかで真っ先に見出そうとする人たち

ビジョナリーは、類いまれな資質をもった顧客グループである。つまり、まったく新たなテクノロジーが自社の企業戦略に合うものかどうかを洞察する能力を有し、その洞察を自らリスクを背負って現実のプロジェクトへと移し、さらに、会社全体がそのプロジェク…

「先行事例と手厚いサポートを必要とする顧客を、有効な先行事例と協力なサポートなしで攻略しようとしている」からキャズムを越えることができない

要するに、ハイテク製品がアーリー・アダプターからアーリー・マジョリティーへ市場を拡大しようとするときには、「先行事例と手厚いサポートを必要とする顧客を、有効な先行事例と協力なサポートなしで攻略しようとしている」という事実を肝に銘じなければ…

古いやり方と新しいやり方の間の不連続を受け入れるか、受け入れないか

アーリー・アダプターが購入しようとするのは、変革のための手段である。アーリー・アダプターは、同業他社に先んじて自社に変革をもたらし、ライバルに大きく水をあけることを狙っている。変革の対象は、製造コスト、市場に製品を出すまでの期間、カスタマ…

見込んだ人間がいれば借金をしてでも支援するという「人間道楽」

情け容赦なくリストラを断行する一方で、仕事ぶりを認めて残した官吏には特別手当を支給し、官舎を建てて住まわせた。思う存分力を発揮しろと叱咤する。総督府の要職には、「一本釣り」でかき集めた秀才たちを配置した。 新平には「人間道楽」といってもいい…

会社にとって何が本当の第一かを判断し、指示するのが経営者の役割

何でも第一を唱えて部下を叱咤激励する経営者は、戦術的志向しかできない人である。ライバルとの競争を課題にした会議では「シェア第一」「売上第一」といい、決算に近づくと「利益第一」になり、その時々で「環境第一」「安全第一」というようでは、経営者…

経営における結果の予測では、実施段階の試行錯誤のやり方が大事

経営における予測は、それほど難しいものではない。事前に計画の段階だけでなく、実施に移った後に、試行錯誤しながら条件を変化させてゆき、微調整をしながら計画していけば、そんなに違いなく結果を予測できるものである。むしろ試行錯誤のやり方が大事な…

ラインスタッフ制は第一線部門から間接業務を取り除き、機能を純化するのが目的

ライン・スタッフ制というのは、製造および販売の基幹部門をライン部門と規定し、総務、人事、経理など、ラインを補完し支援する部門をスタッフ部門とし、機能分化を図るものである。・・・<中略> 本来の目的は、製造や販売の第一線部門から間接業務を取り…

システムはハードとソフトとヒューマンを結合するが特にヒューマンの部分が大事

システムは、ハードとソフトとヒューマンを結合して組み立てるものだが、特にヒューマンの部分が大事だと思う。ヒューマンの部分が適当に組み合わされることによって、システムはより良いものになるのである。 『経営学』 〜第11章 業態化 P.225〜

業態化とは営業の対象を絞り、サービスとコストで差別化をはかり、徹底的に効率化すること

このように業態化とは、営業の対象を絞り、サービスとコストにおいて競争相手に決定的な差をつけることを目標として、徹底した効率化を図ることである。 『経営学』 〜第11章 業態化 P.216〜

何が第二かはっきり指示できる社長が「戦略的レベル」の社長

安全月間になるともちろん”安全第一”の号令が下る。製品のクレームが来ると、品質第一で頑張れと命令が下る。とにかく何でも”第一”の命令が好きな社長は多い。 だが”第二”がなく、”第一”ばかりあるということは、本当の第一がない、ということを表してはいな…

トレードオフを見極め、どちらを先に考えるか判断するのが経営

私が唱える「サービスが先、利益は後」という言葉は、利益はいらないと言っているのではない。先に利益のことを考えることをやめ、まず良いサービスを提供することに懸命の努力をすれば、結果として利益は必ずついてくる。それがこの言葉の本意である。 利益…

真に偉大な組織は壊滅的な破局にぶつかったときですら、回復してさらに強くなる能力を持つ

真に偉大な組織がそこそこ成功を収めているにすぎない組織と違う点は、困難にぶつからないことではない。一時は交代しても、壊滅的な破局にぶつかったときですら、回復して以前より強くなる能力をもっていることである。偉大な国は後退しても回復しうる。偉…

正しい指導者は進歩を求める創造的な欲求、内部の衝動に常に突き動かされている

正しい指導者は、事業が好調なときも不調なときも、脅威に直面しているときも好機を活かそうとしているときも、いつも変わらず緊迫感をもっている。進歩を求める創造的な欲求、内部の衝動に突き動かされている。いうならば、胸がいつも熱く燃えているのであ…

大規模で素早い解決策で、一気に業績を回復しようとし、長期的な勢いを取り戻すための困難な道のりを着実に歩んでいこうとはしない

第四段階がはじまるのは、後退に反応して、組織が特効薬に頼ろうとするようになったときだ。この動きはじつにさまざまな形態をとりうる。検証されていない新技術に大きく賭ける。実績のない戦略に望みを託す。派手な新製品の成功に依存する、「ゲームを変え…

組織再編とリストラを行うと生産的なことをしているという錯覚が生まれる

組織再編とリストラを行うと、何か生産的なことをしているとの錯覚が生まれかねない。企業はいつでも組織を動かしており、組織の進化ではこれが当然である。しかし、悪いデータや警戒信号に対応するときに組織再編を主要な戦略として使うようになると、否認…

複雑な状況下で曖昧なデータを下に判断する時は、良い結果で何をえられ、最悪の結果で何を失い

うのか、そして最悪の結果を耐えれるのかを考える 現実には、事実が明確に判断できるようになっているとはかぎらない。状況は複雑で、ノイズが多く、不鮮明で、どちらにも解釈できる場合はある。実際のところ、とくに危険な状況になるのは、明確で議論の余地…

主要なポストの中で、適切な人材が配置されていると断言できる比率をどれだけあるのか

会社の主要なポストはどれなのか。主要なポストのうち、適切な人材が配置されていると自信をもって断言できるものはどれだけの比率があるのか。この比率を高めるためにどのような計画を立てているのか。適切な人材が主要なポストを離れたときのために、どの…

成長を担う適切な人材を集めるより速いペースで売上高を増やそうとすると停滞・衰退していく

パッカードの法則によれば、どの企業も、成長を担う適切な人材を集められるよりも早いペースで売上高を増やしつづけながら、偉大な企業になることはできない。・・・<中略>偉大な企業が成長を担う適切な人材を集められるよりも速いペースで売上高を増やし…

規律に欠く拡大のパターン

燃えるような情熱をもって取り組めるわけではなく、これまでの分野に隣接しているわけでもない分野に飛躍するのは規律に欠いている。基本的価値観と矛盾する行動をとるのは規律を欠いている。際立った能力、競争相手より優れた能力を獲得できるわけではない…

自己満足に陥り変化を拒否するより、拡張しすぎて自己崩壊することの方が多い

確かに、自己満足に陥り、変化やイノベーションを拒否するようになった企業はいずれ没落する。しかし、ここが意外な発見なのだが、今回、調査対象とした企業は衰退していったとき、自己満足に陥っていたことを示す事実がほとんどないのだ。かつて無敵だった…

後発の強みははっきりした戦略がたてられること

後発には後発の創意が必要だが、逆に強みもある。はっきりした戦略がたてられるからだ。 『志高く 孫正義正伝』 〜五郎ちゃん P.194〜

時間は限られているので、各分野のナンバーワンとパートナーシップを組む

自分で何でもやるよりも各分野のナンバーワンのパートナーを集めるほうが効率がいい。 人生の時間は限られている。有効に使わないといけない 『志高く 孫正義正伝』 〜破天荒 P.67〜