Management
設備はカネを出せば必ずできるのだから急ぐことはない。それよりむしろ設備の前の段階が一番大事である。みんながとてもできない、どんなアイデアを出してもこの機械がどうしてもいるんだというときに、はじめてその設備が有効に動くものになると思う。・・…
大衆は品物のどこがいいか悪いかはわからないけれども、いいか悪いかだけは見抜く力を持っているということである。<中略>・・・ だからデザインというものはこわいのである。大衆はいいか悪いかを判定するけれども、どこが悪いとはいってくれないところに…
私は材料を仕入れて、商品をつくって、販売してお客さんからおカネが入るまでの経費いっさいがコストと考えるべきだと思う。ところが工場は工場だけのコストを考えるところに間違いがあるのだ。 『俺の考え』 〜研究所は博士製造所ではない P.88〜
経営とは、汲んでも尽きない目標と課題の井戸のようなものである。矛盾だらけの経営課題を手探りで、ほうぼうにぶつかりながら解決していき目標に近づく。目標をクリアーしかけると、また次の目標が見えてくる。 『一勝九敗』 〜文庫版あとがき P.274〜
成功する会社に共通しているのは「正しいこと、小さいこと、基本」を徹底的にやり切るということだ。一見するとできているように見えるのだが、ほとんどの会社はできていない。やる以上は徹底して、百%正しいこと、小さいこと、基本をやり続ける。そういう一…
討論や論争をしてお互いに競い合い、高めあうといことは非常に大事だが、根底にお互いに対する信頼感や一致協力してやっていこうという気持ちがない限り、仕事はうまくいかない。基本的に一致協力してやっていこうという気持ちがない人はやはりダメだと思う…
本当に至上に根づくためにどれくらいのプライスが妥当なのか、いまも模索は続いている。価格の問題は、現実にそこに行って商売してみないとわからないことだ。 『一勝九敗』 〜失敗から育てる次の芽 P.209〜
一番いい会社というのは、「社長の言っていることがそのとおりに行われない会社」ではないかとぼくは思う。社長の言っていることを「すべて」真に受けて実行していたら、会社は間違いなくつぶれる。 表面的には社長の言うことをきくのではなく、まずは社長が…
一般的に、成長している企業には、ある時期、ある時期で必要な人が、必然的に集まってくる。自分の会社には人材がいないとぼやく経営者が結構多いようだが、それはおかしい。本気で集める努力を怠っていると思うし、人材以前の問題がその会社にはあるはずだ…
事業を始めるときには、ぼくはいつも最終形を考えるようにしている。こうあるべきという目標を定め、それに向かって行動することが大事。誤解を恐れずに言えば、到達できるかどうかはあまり問題ではないのだ。 『一勝九敗』 〜挑戦と試行錯誤 P.87〜
このように、九八年の原宿店オープンに漕ぎつける前は失敗の連続だった。いずれにせよ、新しい事業は、そもそも失敗することが多いのである。やってみないと分からないことが多いからだ。事業計画をきちっと作っても、ほとんどそのとおりに進まないことのほ…
九五年十月には全国紙や週刊誌に「ユニクロの悪口言って一〇〇万円」という広告を出した。へたにコンサルタントなどに聞くより、直接お客様に不満を聞いたほうが早いと考え、やってみた。集まった「悪口」は一万通弱。ほとんどが品質へのクレームだった。・…
戦略とか、アクションプラントか、難しい言葉がよく使われますが、こちらは目標を達成するための手段を高級化した言葉に過ぎません。たいてい大きな目標はシンプルなんです。売り上げを上げる、利益を上げる。でも、目標を達成するための戦略は、いくつかの…
特に外資の場合は、ついつい「本社はどうなんですか」と社員が聞いてきたりするわけです。僕は冗談で、「本社ってオレのことか?」と聞き返すんですけどね(笑)。実は「本社」なんて言っているうちは、ベクトルは最大の力になっていないんですよ。「我々は…
セオリーなんて、実は誰でも知っているんです。経営戦略だって、頑張れば作れる。みんなプレゼンテーションにふれる機会がありますよね。でも、どの言葉も陳腐化された言葉でしょう。初めて聞く言葉なんて、ほとんどないでしょう。問題はどの軸で、どのくら…
本質的には、メーカー側の製品開発における規模の経済性よりも、個々のユーザーの集合体によって保有されるイノベーション資産の範囲の広さから生じるメリットのほうが大きい場合、ユーザーはより低コストでイノベーションを起こせることに気づくことになる…
プライベート/コレクティヴ・モデルは、ある共通条件のもとであれば、独自のイノベーションを無料公開しても、イノベーターの個人的利益を減らさず、むしろ増やす可能性があることを提唱する。・・・ プライベート/コレクティヴ・モデルは、公共財への貢献…
コレクティブ・アクション・モデルでは、イノベーターはあるプロジェクトのために自らが開発した知識その他資産に対する支配権を放棄し、イノベーションを公共財とすることが義務付けられるという前提を置く。この義務の存在によって、コレクティブ・アクシ…
「プライベート・インベストメント・モデル」は、イノベーションというものは、儲けを期待する私的な投資家に支えられるものだという仮説に立脚している。イノベーションへの私的投資を後押しするために、社会は特許、著作権、営業秘密などに関する法令を通…
リード・ユーザは重要な市場動向の最先端に位置している。したがって現在リード・ユーザーが経験しているニーズは、後になってから市場にいる多くのユーザーが経験することになる。 自分のニーズに対する解決策を獲得することによる比較的高い効用を得ること…
基本的にGMは、変化を避けようとした。ハイブリッド型の組織ではあったが、社内をより分権化する戦略を拒否した。すでにうまくいっているのに、なぜ変わらなきゃいけないのか、というのがGM経営陣の態度だった。一方トヨタは、ヒトデ型とクモ型の間にある完…
競争力のなくなった産業で雇用調整が行われれば、解雇された労働者は職業訓練学校で将来有望な産業に見合ったスキルを磨くことができる。企業は亜tらしい産業を立ち上げても、スキルを身につけた労働者をすぐに調達することができるから、産業構造の転換はス…
『孫子』は、部下に対して、超人的な自発的努力や能力の発揮、さらに度はずれた勤勉さえ要求していないし、そんなことはあてにもしていないのである。いわば部下が全部"新人類"であっても、必ず目的を達しうるのが兵法だと言っているような気がした。・・・ …
人間というのはきわめて情緒的で不安定な生きもののうえに、不器用なんです。習慣の奴隷でもありますしね。そういった、ある意味では、条理の奴隷に近い生きものなので、間違えるし、めげるし、問題を先送りしたがるのです。たとえば、コストを引いたら大赤…
学生の中には、自分はすごく頭がいいと自負している人もいます。そういう人は、「あいつら、何であんな馬鹿なことやってるんだ。俺がトップだったら、こんなことになるはずない」という仮説をもつのです。だけど、私がそこで「自分がもし、そういう人たちと…
プロフェッショナルは違う。リスクをとり、失敗を恐れずに、自らの価値基準と信念のもと、勝てるかどうかわからない試合に挑み続ける。挑んだ結果、望まない結果に終わってしまったとしても、ただでは終わらない強さと冷静さ、理性と感性をもっている。自分…
「いっしょに働く人材のクオリティ水準を高く保つこと、それが自分の仕事のひとつだといつも考えてきた」とジョブズは言う。「それは私が個人として貢献できる数少ないことのひとつだろう。Aプレーヤーしか要らないという目標を組織にしっかり植えつけようと…
ジョブズは簡潔明瞭な組織づくりを心がけた。・・・ジョブズは上から下まで明確な指揮命令系統にこだわった。すべての社員が自分の直属の上司、自分に期待される役割を把握していなければならない。「新しい組織は余分なものがなくてわかりやすく、責任が明…
大企業は、社内コンピューティングへの過去の投資と、ユーティリティがもたらす利益とのバランスを取る必要がある。大企業に期待されるのは、長い期間にわたって複合型アプローチを追及することだ。つまり、ハードウェアとソフトウェアの要求事項の一部は自…
効果的なリーダーシップの基礎とは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に定義し、確立することである。リーダーとは、目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持するものである。もちろん、妥協することもある。 『プロフェッショナ…