戦略的な合理性について合意と多数派の形成ができるかどうかが鍵

学生の中には、自分はすごく頭がいいと自負している人もいます。そういう人は、「あいつら、何であんな馬鹿なことやってるんだ。俺がトップだったら、こんなことになるはずない」という仮説をもつのです。だけど、私がそこで「自分がもし、そういう人たちと同じような人生を歩んで、そのなれの果てとしてそういう立場に立ってみれば、99%、結果は一緒ですよ。100人中99人が同じことをするんです」とはなすと、みんな以外に思うみたいです。・・・<中略>
会社がどの方向性に舵取りしたらいいかなんて話は、マッキンゼーでも雇えば、当たり前の正しい結論を出してくれます。当たり前の結論はでてくるのですが、戦略的な合理性で組織全体を引っ張って行けるか、あるいはそういう合意が作れるか、多数派がそれで形成できて、みんながそうなるように、シーソーをぱったんと反対側に倒せるかどうか、そこが成否の鍵であり、難しいところなのです。
『指一本の執念が勝負を決める』 〜第2章 P.72、73〜