合理と条理をどう噛み合わせるかというところに、経営の難しさの本質が横たわっている

人間というのはきわめて情緒的で不安定な生きもののうえに、不器用なんです。習慣の奴隷でもありますしね。そういった、ある意味では、条理の奴隷に近い生きものなので、間違えるし、めげるし、問題を先送りしたがるのです。たとえば、コストを引いたら大赤字の老舗旅館を営業しつづけるというような、経済合理性に反することをやってしまうのです。だから、この合理と条理をどう噛み合わせるかというところに、経営の難しさの本質が横たわっているのです。
『指一本の執念が勝負を決める』 〜第4章 P.156〜