解雇規制の強さと非正規社員の増加が現場の分断を引き起こしている

競争力のなくなった産業で雇用調整が行われれば、解雇された労働者は職業訓練学校で将来有望な産業に見合ったスキルを磨くことができる。企業は亜tらしい産業を立ち上げても、スキルを身につけた労働者をすぐに調達することができるから、産業構造の転換はスムースに進むというわけである。
従来の日本的雇用システムの欠点は、過剰雇用になってもなかなか雇用調整ができないことにある。だからこそ近年の日本企業は解雇が容易な非正規社員を増やすことによって対応しようとしてきたわけだが、先にみたように、それが従業員の一体感を損ね、現場の「分断」を引き起こしている。
『資本主義はなぜ自壊したのか』 〜第七章 「日本」再生への提言 P.338〜