アメリカ人は文化や民族を基盤にしなから、それを超えた理念を自分たちは持つと信じる

文化や民族を基盤にしていないがゆえに、彼らアメリカ人は「自分たちの唱える理念こそ、偏狭な民族性や古い歴史のしがらみを越えたものであり、普遍的、世界的な価値を持っている」と信じて止まないからである。アメリカはなぜグローバル資本主義を強力に推進しようとしてきたのか。もちろん、その最大の理由は、すでに述べてきたようにグローバル資本主義が、世界の覇権国としてのアメリカを経済的に利するからに他ならない。さらに付け加えれば、社会的つながりや歴史性を重視しないグローバル資本主義のあり方は、まさにアメリカ人の精神的土壌にフィットしているシステムでもある。
『資本主義はなぜ自壊したのか』 〜第四章 宗教国家、理念国家としてのアメリカ P.178、179〜