古いやり方と新しいやり方の間の不連続を受け入れるか、受け入れないか

アーリー・アダプターが購入しようとするのは、変革のための手段である。アーリー・アダプターは、同業他社に先んじて自社に変革をもたらし、ライバルに大きく水をあけることを狙っている。変革の対象は、製造コスト、市場に製品を出すまでの期間、カスタマーサービスなど、ビジネスを薦めていくうえで自社に優位性をもたらす要素である。彼らは、古いやり方と新しいやり方のあいだに大きな不連続性が発生することをいとわず、社内の頑強な反対をおしのけてでもこの変革を実現しようとする。・・・<中略>
それに対してアーリー・マジョリティーは、現行オペレーションの生産性を改善する手段を購入しようとする。彼らは、古いやり方と新しいやり方のあいだの不連続性をできるかぎり小さくしようとする。彼らが求めているのは進化であって、変革などではない。必要なのは、現行テクノロジー強化であり、テクノロジーの世代交代などではない。
キャズム』 〜第1章 ハイテク・マーケティング 錯覚 P.29〜