見込んだ人間がいれば借金をしてでも支援するという「人間道楽」

情け容赦なくリストラを断行する一方で、仕事ぶりを認めて残した官吏には特別手当を支給し、官舎を建てて住まわせた。思う存分力を発揮しろと叱咤する。総督府の要職には、「一本釣り」でかき集めた秀才たちを配置した
新平には「人間道楽」といってもいい性癖がある。これは、と見込んだ人物がいれば、借金をしてでも支援した。交際に金を注ぎ込み、散財する。仕事のできる人間が好きで、優秀な人間がいると聞けば、役所や大学から奪い取るようにして台湾に連れてきた。
後藤新平 日本の羅針盤となった男』 〜第3章 台湾統治 P.135〜