トレードオフを見極め、どちらを先に考えるか判断するのが経営

私が唱える「サービスが先、利益は後」という言葉は、利益はいらないと言っているのではない。先に利益のことを考えることをやめ、まず良いサービスを提供することに懸命の努力をすれば、結果として利益は必ずついてくる。それがこの言葉の本意である。
利益のことばかり考えていれば、サービスはほどほどでよいと思うようになり、サービスの差別化などはできない。となると、収入も増えない。よって利益はいつまでたっても出ない。こんな悪循環を招くだけである。
つまり、どちらを先に考えるかで、結果は良くも悪くもなる経営には常にトレードオフの問題がある。それに対する正しい対応を考えるのが、経営者の大きな責任であると思う。
経営学』 〜第7章 サービスとコストの問題 P.142〜