自分の主張への揺るぎない自信

上の人も、自分が昔、決めたことが古くなっていることぐらいわかっている。しかし、立場とプライドがあるので、自分からはいい出せない。本心では、困ったなと思っているはずである。金科玉条のように、間違ったものをずっと守られるのは、本人も辛い。誰かが切り出してくれないかと内心待っている。
言い方さえ気をつければいいだけのことだが、それがわかっている人でも上司に鈴をつけに行かない。なぜか。自分の主張に揺るぎない自信がないからだ。
東大法学部卒の官僚は、係数に弱い。知識や理論のほとんどは知り合いの学者から仕入れたものだ。要は聞きかじりに過ぎない。
耳学問では、A、B、Cの学者が同じ意見をいっていたとして、どれが根本の理論かわからない。知ってはいても、本当に理解はしていないので、経験も知識もある上司から根拠を突っ込まれると、最後には「あの学者がそういっていたので」と答えるしかなくなる。これでは、上司は納得しない。相手の気分を害し、睨まれる名根を捲くだけだったら、止めておこうとなるのだ。
『さらば財務省!』 〜第一章 財務省が隠した爆弾 P.51〜