Economics

英米が自由主義経済のルールを掲げたのは彼らのヘゲモニーを支える戦略

イギリスやアメリカが自由主義経済のルールを掲げたときですら、それは彼らのヘゲモニーを支えるための戦略だったということを再確認しなくてはなりません。規制緩和一辺倒の、いわゆる新自由主義的な発想は、そうした戦略を字義どおり真に受けてしまったも…

金融経済と実物経済の割合がひっくり返るとベースマネーを増やしてもバブルをもたらすだけ

国際資本がここまで自由化されて、なおかつ金融経済と実物経済の割合が完全にひっくり返ってしまうと、たとえベースマネーを増やしても、バブルをもたらすだけだろうと。しかも国内にマネーがとどまるわけではなくて、まったく別のところにいってしまうだろ…

国家は税という形で所有権でなりたつ市場の論理を超えてお金を調達できる

社会のなかで国家だけが、所有権のもとでなりたっている市場の論理を超えてお金を調達することができる。つまり税です。市場とは別の論理に立脚しているからこそ、市場の矛盾は国家によって肩代わりされることができるのです。 『超マクロ展望 世界経済の真…

グローバル化とは少数の人が外部に有利な交易条件を求めて利益を得るという行為

これまでのグローバル化というのは、つねに少数の人が外部に有利な交易条件を求めて、そこから利益を得るというかたちでしたが、いま起こっているグローバル化では、地球全体がグローバル化するぞということになって、そうした外部が消滅してしまったのです…

実物経済で利潤率があがり、それが衰退すると金融化がすすみ、最後はヘゲモニーが終わりに向かう

どの国のヘゲモニーにおいても実物経済のもとで利潤率が上がって、それが次に低下することで、金融化というか、金融拡大の局面になっています。そしてその金融拡大の局面で、ある種のバブル経済が起こる。つまり、どのヘゲモニーの段階においても、実物経済…

グローバル資本主義の問題の根幹は、グローバルレベルの制御主体が存在しないこと

グローバル資本主義の問題の根幹とは、今やモノもカネも国境を越えて自由に羽ばたいているのに、それを制御する主体が国家単位に分散しているということにあるのだ。・・・<中略> 岩井克人氏は言う。 「あのアダムスミスの『見えざる手』を曲がりなりにも…

市場経済の目的は利益と繁栄作り出すことであり、平和と自由を作り出すことではない

市場経済のもとでは、自由も平和も制度化することはできなかった。というのは、市場経済の目的は利益と繁栄作り出すことであり、平和と自由を作り出すことではないからである。 『資本主義はなぜ自壊したのか』 〜第三章 「悪魔の碾き臼」としての市場社会 P…

文化には価格がつかないため、文化価値の破壊は経済的損失とはカウントされない

たとえば、資本主義が発達して、消費生活がさかんになった結果、伝統的な生活習慣が失われたとする。伝統が消えたことはその社会にとっては損失であるかもしれないが、その損失を金銭で表せないのであれば、それは経済学の対象とはならない。まさに「外部」…

マーケットの民主主義的な装いの裏に隠されている何かに注意を払う必要がある

私はマーケットの持っているしたたかな部分、その民主主義的な装いの裏に隠されている部分、マーケットが作り出す人々の精神構造(マーケット・メンタリティ)の変化や社会の変質などにももっと注意を払うことによって、「マーケットをうまく使いこなす」と…

新自由主義の行き過ぎが、格差社会、金融の混乱、モラルの崩壊につながった

サッチャー英首相やレーガン米大統領の政策は、「大きな政府」がもたらす国民負担の上昇や経済の非効率、公的部門の拡大に歯止めをかけ、たしかに経済活性化をもたらすのに役立った。しかし、かつて、「大きな政府」を支持するケインズ経済政策が行き過ぎて…

「反インフレ至上主義」の日銀、「財政原理主義」の財務省

それでも財務省が、自明の理にもきづかず、近視眼的な視点に固執する背景には、省内にはびこる「財政原理主義」がある。財務官僚の脳裏には、目先の財政収支の均衡しかない。そのためなら、これまで見てきたように数字もごまかす。手段は選ばない。 「反イン…