安倍政権の快挙が新聞報道されなかったわけ

日頃、マスコミは政治主導の政策づくりが必要だと訴えている。そういう観点から見れば、安倍総理の決断は、まさに霞ヶ関を排除して政治主導の政策決定を目指した歴史的な快挙だったといえるが、不思議なことに、翌日の新聞は事の経緯を一切報道しなかった
かわりに新聞の一面を飾ったのは、閣議にかけられた公務員制度改革案への民主党の批判だった。われわれの案に対しては、低い評価しか与えられていなかった。
なぜ、安倍総理の歴史的快挙を新聞は無視したのかー。
理由は二つ、考えられる。ひとつは、役人の情報操作。表面上は、政府案は「天下りバンクの創設に過ぎない」との民主党プロパガンダに新聞が乗った形になっているが、その裏で暗躍したの恐らく霞ヶ関だ。霞ヶ関民主党と結託して、批判記事を書かせたと推測される。役人は、こういう情報操作はお手の物だからだ。
もうひとつ理由があるとすれば、マスコミ各社の自主規制である。新聞各社にとって、霞ヶ関は欠かすことのできない情報源だ。各省庁には記者クラブが設けられていて、役所が場所も情報も提供している。役所の意向に反する記事を書くと、締め出されて、情報が入ってこなくなる恐れがある。
『さらば財務省!』 〜第六章 政治家vs.官僚 P.247〜