China

国防を重視するなら外敵にとっても便利な国土の中央に首都をもうけることは得策とは言えない。

経済活動や文化発信だけを考えれば、首都は、国土の中央にあるほうがよい。しかし、国防を重視するなら、首都は便利な場所に置いてはならない。便利な場所は、国土に侵入してくる外敵にとっても、便利だからだ。国防の見地からすると、東京のような一極集中…

歴史に美学を求める中国人は戦いの勝ち負けよりも、どれだけ美しく戦ったかに意味を求める

中国人は、歴史に美学を求める。天下取りの争いに勝手も、中国の王朝の寿命は、せいぜい二百数十年にすぎない。しかし、歴史と言うキャンパスに描かれた「義」の美学は、永久に残る。千年単位のスケールで見れば、勝ち負けよりも、どれだけ美しく戦ったか、…

華僑の商才に象徴される現実主義の「貝」と共産主義に象徴されるイデオロギー性は「羊」

現代中国人は、太古の二つの先祖から、ホンネとしての貝の文化と、タテマエとしての羊の文化の、両方を受け継いでいる。異質の二つの性向が、どちらも彼らの血肉となっている。ここに中国人の強みがある。 華僑の商才に象徴される中国人の現実主義は、「貝」…

中国人はタテマエとホンネを分ける為、テレビ報道のタテマエの部分だけをみると本質を見誤る

二〇〇五年、日本のメディアは、中国各地の反日デモ(反日暴動)の映像を、繰り返し放送した。若者を中心とする群衆は、町中でみつけた日本軍をこわし、日本語の看板をかかげた店のガラス窓を叩き割り、つかのまの暴動に酔いしれた。その映像を見た日本の視…

中国人は特定の思想の観点から善悪を明確にわける

日本の歌舞伎では、最初悪玉として登場した人物が実は善玉だったり、あるいはその逆だったりと、登場人物の善悪が途中で変わることが多い。日本の民衆は、芝居でも人間の多面性を楽しみたがる。 中国の芝居や映画では、善玉は徹底して善玉で、悪玉は徹底して…

中国人は歴史に美学を求めるため、勝ち負けより美しく戦ったか否かが重要

中国人は、歴史に美学を求める。天下取りの争いに勝っても、中国の王朝の寿命は、せいぜい二百数十年にすぎない。しかし、歴史というキャンバスに描かれた「義」の美学は、永久に残る。千年単位のスケールで見れば、勝ち負けよりも、どれだけ美しく戦ったか…

「易姓革命」とは、天の命令により国の統治者を変えること

天皇制をもつ日本と違い、中国では、しばしば「易姓革命」が起きた。「易姓革命」とは、「天使の姓を易え、天命を革める」意で、天の命により天子の家計をとり替えることである。 『貝と羊の中国人』 〜第五章 ヒーローと社会階級 P.110〜

中国人は現実的で商魂の逞しい「貝」の性質と理念や義を重んじる「羊」の性質を持つ

華僑の商才に象徴される中国人の現実主義は「貝」である。儒教や共産主義に象徴される中国人の熱烈なイデオロギー性は「羊」である。 (補足:肥沃な大地に中国東に位置し、交易が盛んであった殷が「貝」の文化、遊牧民的で天による統治を重んじ、儀礼を重ん…