Japan

対米従属を続け、敗戦を否認しつづけている状況

敗戦の帰結としての政治・経済・軍事的な意味での直接的な対米従属構造が永続化される一方で、敗戦そのものを認識において巧みに隠蔽する(=それを否認する)という日本人の大部分の歴史認識・歴史的意義の構造が変化していない、という意味で敗戦は二重化…

日本の中空均衡型モデルでは、矛盾するものを排除せず、共存させる

これに対して、日本の中空均衡型モデルでは、相対立するものや矛盾するものを敢えて排除せず、共存し得る可能性をもつのである。つまり、矛盾し対立するもののいずれかが、中心部を占めるときは、確かにその片方は場所を失い抹殺されることになる。しかし、…

中心による統合モデルは西洋における自然科学の発展に大きく寄与した

中心による統合のモデルは、西洋における自然科学の発展に大きく寄与したと思われる。合理性という原理を中心に、矛盾を含まず論理的に整合性をもつ体型を樹立することによって、自然科学は大いに発展したのである。しかしながら、このようなモデルは自分の…

「柔らかい心」で向き合い、心を一つの方向へ整えることが和

和というのは、ケンカをしないということではありません。お互いがそれぞれの務めを果たすこと。そのことを通じて「心のつながり」を保つ、ということです。あえて訓読みすれば、「やわらぎ」とか「ととのう」となるのでしょう。互いに「柔らかい心」で向き…

日本は神の命令ではなく、「きれい」「汚い」という美的感覚で行動を律する

その『日本文化史』の中でサンソムがくり返して書いているのは、日本人は倫理やモラル、あるいは心のありさまを表現するときにさえ、「きれい」とか「汚い」といった美学的な言葉遣いでもってそれを表現する、ということです。 すなわち、「十戒」という神の…

日本憲法は日本から戦争する力を奪いたいアメリカと天皇制を堅持したい日本の妥協の産物

日本の憲法は、日本から戦争をする力を奪い、日本の民主化を推し進めようとしたアメリカと、日本の基本的な政治体制である天皇制を堅持しようとした日本の、政治的な妥協の産物であった。・・・<中略> 憲法は日本という国家の基本的な考え方を規定すればよ…

日本で大衆文化が発展したのはカナという平易な文字があったからで、中国にはそれがない

昔の日本人は、カナ文字を発明した。カナは、簡単に習得できる。そのおかげで、「日本では、幅広い階層が文芸創作に参加することができた。 中国は違った。士大夫は、自らのステイタスを高めるため、漢詩や漢文をわざと難しいものにした。もちろん、カナのよ…

心の有様を表現する時にさえ美学的な言葉遣いで表現する

その『日本文化史』の中でサンソムがくり返して書いているのは、日本人は、倫理やモラル、あるいは心のありさまを表現するときにさえ、「きれい」とか「汚い」といった美学的な言葉遣いでもってそれを表現する、ということです。 『日本人としてこれだけは知…

戦前日本を全否定する「歴史観」と戦後日本を全肯定する「戦後神話」

一方的に戦前の日本を全否定するような「歴史観」や、その反動として、手前味噌的に記憶を忘却し戦後の日本だけを全肯定するような「戦後神話」が生まれてしまいました。このことが、日本人から歴史認識そのものを奪い取り、知性はおろか日本人の精神性にま…