アメリカ人の行進好きは寂しさから

それにしても、アメリカにおける多民族性がなお新鮮で、建国二百年以上をへた国とはとても思えないのである。この社会の若々しさは、この多様さと、さまざまな要因による移り変わりのはげしさにあるのではあるまいか。
この国の人々の行進好きは世界に知られている。行進は自分が所属する文化の誇示にあるだろう。日と場所をきめて誇示でもしなければ、文明一枚の大社会にあっては、個々が寂しくなってしまうにちがいない。
〜『アメリカ素描』 〜第二部 P.259、260〜