俳諧の「付け」という発想技術は、産業において外国のものを日本にうまく取り入れることに通じている

「付け」はおそらく世界に類をみないような豊かな発想技術である。思えば日本が外国のものを取り入れて日本化する方法も、「付け」の発想である。外国の事物の付心、付所を見極めて、それを和風に「転じ」てきたのである。俳諧で熟成された「付け」という修辞法があったことは、日本の産業技術の発展にも影響をあたえているかもしれない。
『日本文化の模倣と創造』 〜つながりの歌 P.161〜