2009-07-14から1日間の記事一覧
コピーは文明間の橋渡しをする。ギリシア・ローマの文明が西洋近代文明につながったのも、中国文明が日本に伝わったのも、コピーのおかげである。旧来の文明どうしをつなぐ働きをしてきたものが、人類の情報文明ではないだろうか。そして、その情報文明の基…
わたしたちが自問自答しなければならないことは、日本人は連歌を文化の遺伝子として持ちながら、その方法を先端的な技術分野に引用する点で、先駆的な役割を果たせなかったことである。その最大の理由は、再創主義という古くからある創作の手法を忘れて、明…
「付け」はおそらく世界に類をみないような豊かな発想技術である。思えば日本が外国のものを取り入れて日本化する方法も、「付け」の発想である。外国の事物の付心、付所を見極めて、それを和風に「転じ」てきたのである。俳諧で熟成された「付け」という修…
諭吉のいう「コピライト」は、「著者のロマンチックな個性の表れ」としての作品を保護せよといっているのではい。作品の出版権を著者に与えて、類版を防ぎ、専売の利益を著者に与えるべきだと唱えているのだ。そして、諭吉は、これを「経済の定則」だという…
GPLの特徴は、コピー・改変・頒布の自由に加えて、ライセンス自体が伝播性をもっていることである。GPLのもとに公開されたソフトウェアを利用して作られたものもまた、GPLでライセンスすることが義務付けられている。これを、ライセンスの伝播性といい、これ…
デジタル技術によって、人類は有史以来、もっとも強力なコピー力を手に入れた。デジタルのコピー力は、情報の独占による近代的な布告の方法をなし崩し的にする。 デジタルコピーの力によって、情報の排他的な所有という近代のパラダイムは終焉を迎えるだろう…
著作権史の本では、独占的な書籍業者による裁判や天才作家による闘争が、著作権を発生させ変容させてきた原動力であるという説明がされている。しかし、視点を変えるならば、著作権を動かしてきたものは、メディアテクノロジーの進歩とそれにまつわるお金で…
このように、著者の産みの親は、印刷出版システムである。著者を「主体を持った個」という近代文学的な視点にとらわれすぎると、多くのことを見失うであろう。著者は、出版社や印刷業者、流通業者、書籍販売業、読者、メディアテクノロジー、流通システムと…
コピー防止技術は、法で認められた以上の規制を利用者に対してかけてしまうという面もある。サイバー法の第一人者のローレンス・レッシグが指摘しているように、プログラムのコードが社会のコード(規定)になってしまうのである。たとえば、DVDのコピー防止…
「著作人格権」とは、著作者の人格的な利益を守るもので、「公表権」「氏名表示権」「同一性保持権」からなる。「公表権」とは、著作物を公表するか否か、その時期などを決定する権利であり、「氏名表示権」とは、著作物の公表をするさいに使命を表示するか…