ユーチューブ経済では、誰もがタダで遊べるが、利益を得るのはごく少数だけ

無報酬の労働を戦力化し、それを価値あワールドワイドコンピュータが生みだす経済力が要因となって、ますます多くの経済分野で利益が劇的に増加し、技能のあるなしにかかわらず、労働者はソフトウェアに取って代わられ、知的労働が世界規模で取引され、企業がボランティア労働を集約して経済的利益を収奪している現状は、ユートピアと程遠いと思わざるを得ない。中産階級の弱体化は、極めて裕福な少数の人々、すなわちデジタルエリートと、暗い運命に直面している大多数の人々との分裂に拍車をかけている。ユーチューブ経済では、誰もがタダで遊べるが、利益を得るのはごく少数だけなのだ。
クラウド化する世界』 〜第7章 多数から少数へ P.176〜