日本の宗教は神は外部に存在せず、「自らの心に宿る」

宗教と近代科学は衝突します。それが、彼らの大きな悩みであり、ときには自然法則の中には必ず神の意思が宿っているはず、と考え熱心に科学研究にも取り組んできました。それが西欧近代の発展の原動力となったのです。また、その信仰心が「神との契約を守らなければ地獄へ落ちる」という恐怖心と一体となった宗教であることも忘れてはならないでしょう。
対して、日本の宗教(日本文明)は、自分の心を清々しく保つことを重視します。奇跡に依存したりはしません。戒律もありません。神は外部に存在するのではなく、「自らの心に宿る」。そういう意味では、一番進んだ宗教(宗教心)であり、近代科学とも矛盾しない宗教といえます。
『日本人としてこれだけは知っておきたいこと』 〜第四章 日本文明とはなにか P.244〜