インターネットの中心を営利企業が担えるのか

グーグルは営利企業として、しかも大きく儲かる事業を創造した超優良企業として、企業でなければ絶対にできないスケールでインターネットの意思の実現を追及する存在」と」自ら位置づけたかのように見える。大仰にも「邪悪(evil)なことはせず、世界をより良き場所にする」というミッションを掲げ、特に早い時期に入社した社員の中には「自分たちは世界を良くするために働いている」という意識を有している者も多い。
・・・<中略>グーグルの場合は、儲かるようになってますます、もともと持っていた特異な個性が際立つようになってきた。「インターネットの意思を実現することが本当にできるのは自分たちしかいない」という使命感と傲慢さが一体になったような存在に転じつつあると言っていいだろう。「パブリックでオープンでフリーな」インターネット世界の中心を、果たして営利企業が担えるのか。グーグルはそんな根源的矛盾を体現する存在となったのだ。
ウェブ時代をゆく』 〜第一章 グーグルと「もうひとつの地球」 P.37,38〜