日本社会を閉塞させる価値観は自分の内部にも根強く存在する

そこに存在するのは、「時代の変化」への鈍感さ、これまでの慣習や価値観を信じる「迷いのなさ」、社会構造が大きく変化することへの想像力の欠如、「未来は想像し得る」という希望の対極にある現実前提の安定志向、昨日と今日と明日は同じだと決めつける知的怠惰と無気力と諦め、若者に対する「出る杭は打つ」的な接し方・・・といったものだけ。これらの組み合わせがじつに強固な行動倫理となって多くの人々に定着し、現在の日本社会でまかり通る価値観を作り出している。<中略>・・・
日本社会を閉塞させる大きな原因たる「まったく同じもの」は、本書を読んでくださった読者の皆さんの外部にあって批判するものではなく、皆さんの内部に根強く存在している。そしてそれが強敵の強敵たるゆえんです。私塾のすすめ』 〜おわりに P.205、206〜