子どもの好奇心ややりたがりは、人が自立して生きていくうえで必要なことを学ぶために自然が与えた力

ここで、「自立」の意味をはっきりさせておきましょう。自立とは、人をあてにしなくても自分の力で生きられることと、自分ではできないときに素直に人に援助を求める能力を意味します。
実は、何も知らないと思える生まれたての子どもの中に、すでに自立して生きていくために必要なすべての知恵の芽が存在しています。その芽は、親が邪魔さえしなければ、立派に育つよう仕組まれているのです。
ですから、子どもはみなやりたがりです。一歳半を過ぎると、何でも自分でやりたがるようになります。うまくまてなくても、自分でスプーンをもってご飯を食べたがる。上手に口に運べなくても、自分でコップをもってお茶を飲もうとする。やってあげようと手を出すといやがります。自分でやりたいのです。健康に生まれた赤ちゃんに、やる気のない子はいません。
一人一人の表現の仕方に差はあっても、子どもの好奇心ややりたがりは、人が自立して生きていくうえで必要なことを学ぶために自然が与えた力なのです。
『子どもの心のコーチング』 〜第1章 親の役割は何?  P.35〜