眼前の懸案を手を携えて解決する力を内に秘めていない同盟はやがて衰退していく

ロンドンの伝統あるクラブで、老戦略家とランチを共にしていた折、彼がふと漏らした言葉をいまも鮮明に覚えている。
「眼前の懸案を手を携えて解決する力を内に秘めていない同盟はやがて衰退していく」
太平洋を挟む東京・ワシントン同盟は、半世紀を越えて東アジアの波を穏やかなものにしてきた。そう考えれば、普天基地の移転問題など、さざ波にもあたらないという声がある。根拠なき楽観論と言わざるをえない。
ブラック・スワン降臨』 〜第6章 P.174〜