「自由」と「民主主義」は上から「アメリカ的生活様式」を下からアメリカを統合した

「現代アメリカ」には彼らをおのずから一つに結びつける要素があった。それは、消費文化、すなわち「アメリカ的生活様式」である。資本家も中産階級も労働者も、移民も非白人も女性も、消費文化を受け容れ、「アメリカ的生活様式」を追求した。「自由」と「民主主義」の理念が、アメリカ社会の上から多様な国民を統合するものであったのに対し、消費文化、すなわち「アメリカ的生活様式」は、下から、すなわち国民の生活的欲求のなかから自発的に統合へと向かわせる役割をはたしていたといえるだろう。
アメリカの20世紀〈上〉1890年~1945年』