組織にはびこる無責任体制

柳井は「普通の日本の大会社」と同じ意思決定のメカニズムが働き始めたことにも危機感を覚えた。現場で決めれば済む事柄まで、報告・承認を求める。責任があいまいになるという意味で組織にはびこる無責任体制と根っこは同じだ
取締役の大苫直樹は、その苛立ちに気づいていた。柳井への報告でこんなやり取りがあった。
大苫 百貨店に出店したいが、売り上げは確保できても収益性が落ちる可能性がある
柳井 収益性が落ちたら意味ないでしょう
大苫 でしたら、商品を替える必要があります
柳井 替えたらいいでしょう。それができないんだったら、会社にいても仕方ないでしょう
『2005.9.26 日経ビジネス ユニクロ作り直し』