大量の敗者を輩出できる能力が成功要因

アメリカの自動車産業の揺籃期に見られた現象は、決して珍しくはない。鉄道やテレビ受像機、パソコン、最近ではインターネットなど、ほかの新興産業の歴史にも同じようなパターンが見られる。どんな産業でも、初期にはデザインや技術が大きく異なる多種多様なアイディアが見られる。時の経過とともに市場が勝者と敗者を選り分け、どの技術が発展し、どの技術が衰退するかを決める。
・・・<中略>システムの成功は、どれが敗者かはっきりさせて速やかに淘汰する能力にかかっている。いや、もしかすると、そもそも大量の敗者を輩出できる能力の有無が、システムの成功の鍵を握ると言い換えたほうがいいかもしれない。
「みんなの意見」は案外正しい』 〜第2章 P.44-48〜