骨の髄まで滲みこむまで繰り返す

「何事にもあれ、仕事に関することは全て上下貫通、左右無碍に、明朗に、闊達に連絡し、報告し、話合うことが一番大切だ。勉強し努力して、お互いがこれを完全に身に付けたときに、本当にその威力を発揮できる」
毎朝のようにきかされて、うんざりするくらいの言葉の一つである。だが、吉田は繰り返すことによって、幹部以下全社員が広告人として未完成であるので、これを整備し、教育している。つまり吉田の会議は、孫文の言うところの「訓政期」の教育会議だと言っている。広告という仕事の厳しさ、むずかしさを全社員の骨の髄まで滲みこませるためのものでる。
『「われ広告の鬼とならん』 〜第六章 構想と挑戦 P.319