2007-01-27から1日間の記事一覧

世間的な才能努力では世間並みの収穫しかない

「世間の考え方、やり方、世間的な才能努力では世間並みの収穫しかない。諸君がそれで満足だとするなら、もはや何をか言わんやである。少なくとも私は断じて『否』である。 いや電通とはそのようなものではないはずだ。不撓不屈意思に齧りついてでも所信を貫…

広告と広告代理店の本当の役割

「新聞やラジオ、テレビは自由に各家庭の奥に入って行くセールスマン。新聞でいうなら東京では、一日に四百万(当時の発行部数)のセールスマンが動き、各家庭へ自由に入って行くということになります」 吉田の理論では、広告というものは、かつての人間の訪…

常に自らの仕事を全面から分析・反省していれば、大口や言い訳はでようはずもない

「常に、自分のしている仕事をあらゆる角度から分析し検討して、仕事の実績についての自分らの努力、自分らの才能はどうであったか、という反省をしているならば、よい場合に大口をたたくこともなければ、悪いからといって、下手な言い訳をする必要もないは…

知識労働者のあり方

「社員の過重労働、労働酷使に対する抗議」であるというものであった。さらにこれに対して、吉田は「言語道断である」と怒りをあらわにした。 「酷使とはなんだ。会社に入って三年や四年は勉強時代である。一生懸命勉強しなければ、この社会で正面向いて、も…

戦略・戦術の組織への浸透と広告理論

毎週のように、あるいは毎日のように、吉田は精神論を基調とした檄文を飛ばす。この繰り返しこそが、吉田の教育である。これは広告理論の繰り返し訴求することによって、消費者の心をつかむのに似ている。 『「われ広告の鬼とならん』 〜第六章 構想と挑戦 P…

骨の髄まで滲みこむまで繰り返す

「何事にもあれ、仕事に関することは全て上下貫通、左右無碍に、明朗に、闊達に連絡し、報告し、話合うことが一番大切だ。勉強し努力して、お互いがこれを完全に身に付けたときに、本当にその威力を発揮できる」 毎朝のようにきかされて、うんざりするくらい…

工場も機械もない会社は会議こそ生産の場

吉田流に言えば、電通には工場も機械もないので、会議こそ生産の場なのである。 『「われ広告の鬼とならん』 〜第六章 構想と挑戦 P.317

業界発展への協力と安易な企業間の妥協の違い

「電通は自分だけ良ければよい、など決して考えておらぬ。どうしたら日本の広告界を良くすることができるか、どうしたらお互い業者の社会的経済的地位を高めることが出来るかということを常に考え実行している」 そこで吉田は戦時中の企業整理、広告料金の設…

人材育成を経営の中核にすえる真の方法

吉田の責務の一つに、終戦直後、電通の再出発のために、各界から人材を次々に抜擢してきた。その人材を育て、活躍させねば、彼の言う「荒廃した日本の広告界を復興する」ことはできなかった。なにしろ広告人や広告界そのもののスケールが小さく、非近代のセ…

新しい仕事を創りあげ、先駆者の栄誉をになうことは命懸け

吉田は開局にあたり、社員をホールに集めて、喜びを胸に、緩やかに、しかし厳しいまなざしを向けて語った。 「これからはじまる民間放送の仕事は、ちょっとやそっとのことではない、大事業である。命懸けの仕事である。諸君のうち半数は死ぬであろう。しかし…

電通『鬼十則』

一. 仕事は自ら「創る」べきで、与えられるべきではない。 一. 仕事とは、先手先手と「働きか掛け」て行くことで、受け身でやるものではない。 一. 「大きな仕事」と取組め、小さな仕事は己れを小さくする。 一. 「 難しい仕事」を狙え、そして成し遂げると…

原材料不足という課題をラジオ開拓で解決

この頃、新聞は紙不足で四頁建て。広告は未掲載のまま山積し、新聞社広告曲は代理業者の言い分など聞く余裕すらない。・・・だから広告の仕事は、看板広告や電柱広告などを積極的にやらねば、代理業の行き抜く道はなかった。吉田の理論は次のように続いた。…

植民地政策の「調査課」を経営戦術に応用

満鉄関係者を採用したのも、市場調査を経営戦略の核にすえようとした意図がうかがえた。満鉄には三本柱の一つとして、「鉄道課」、「地方課」とともに、「調査課」があった。調査課は現地の旧慣調査を行った。これは植民地での伝統的な慣習を知り、民心を理…

われ広告の鬼とならん―電通を世界企業にした男・吉田秀雄の生涯