企業は「公益」に関心がなければ、善良である責任もない

人々はまた、企業は「公益」を促進するためだとか「社会的責任」を果たすために活動しているのだという経営者たちの言い分にも気をつけなければならない企業というものは「公益」に関心があるわけではないし、善良であることも彼らの責任ではない。企業は売上げと利益を上げるために、ブランドイメージを良くしようと善行を積むことはあるかもしれないし、本業にいそしんだ結果、偶然に社会貢献という副次的効果を生むこともある。しかし、彼らは善良であると思われたいから、良いことをするわけではないのである。
『暴走する資本主義』 〜第6章 超資本主義への処方箋 P.296〜